第3話「赤い月夜」

ーーあ?


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ーー夜明け前か…。

とりあえず、店に行こう…。


「ソレイュぅう!サリュぅぅう!!」

「おう、コリィヌ!」 

ーー通りの向こうから女が走ってくる。

「ぉ…モア!!部屋はどうだ?」

 悪くない。

「よかったぁ!」

にか

ーーぃや、なんの笑顔。

 

「その美しい人はだぁれ?」              

「モアだ。4階に住むことになった〜。

こいつは、コリィヌ。昼にいるセルヴィナで。

よく朝、手伝だってくれるんだ。」

「よろしくお願いしまぁす。」

ーーぅ、笑顔から花びらが舞い散ってる…。

 よろしく…。

「仕事は、どうするか決めたのか?!」

 しばらく下に住んでるニラァジュに絵を教えるつもり。

ーーなんでお前が残念そうなんだよ‼︎

「それよりッ!モア、イマァジなんて教えられるんだ!?すげぇな!!」

 そう?

「えっ?!なに?なに?」

「こいつタンティもやるんだぁ!…かっこいいよなぁ!」

ーーなんでソレイュが自慢げな顔なのか、わからない。

「そうなんだぁ?タンティってなぁに??」

「人を探したり、情報を集めたり…まぁ、人助けみたいな仕事!」

「へぇ!すっごい!アタシも困ったら、モアに助けてもらおぅっと!」

 それなりの金額はもらうよ?

「やっぱ高いのか?!」

ーーあぁ''ッ話を広げるな‼︎面倒くさい。

 当分の仕事の報告しに来ただけだから…。

ーー後ろからソレイュの残念がってる声が聞こえたけど、   

無視しよう。

朝日が登ってしまう。

…とりあえず眠ろ。



ーーこの辺りを散策しておうこかな…。

屋根に登るのに、足場になりそうなのは、  

「そこ」と

「あそこ」と

「あそこ」

見渡すと静かな屋根。

でも、見慣れた月とは違い…空は、赤い。

通りには灯りが多く「狩り」をしてもすぐ見つかってしまいそう…。

赤くても、月は夜を照らしてる。

 月を眺めに来たの?


……ここでも月夜は、綺麗だぁ。 


山型の窓に、隣り合う建て物。

複雑に続いてる。

「あっち」行って。

「こっち」行って。

「そっち」行って。

跳ね周って、踊る様に翔け周って。 


ゴ ゴォォォン ゴォォォン


ーー気付いたら…空が白んでる。

はしゃいでしまった。

…そろそろ、戻ろう。


ーー戻ったゎいいけど、することがないな。 

眠る気分ではない…。

灯りのない部屋。

カーテンに日が透けてる。

あ、これで本を読もう。


…『sholls demaje』 

客人として来た男。

執事に案内され、主人の部屋へ。

その夜の行われる夜会に招待される。

通りかかったこの家の次女にお茶に誘われる。

日がキラキラしている、ガラス貼りの部屋でお茶を飲む。

次女は、客人招くのは聞いていたが、お茶に誘うとは思ってなかったらしい。

今日の格好は、変ではないか?と聞かれる。

男は、その髪飾りも、独特なもも色の刺繍のりぼんもお似合いで素敵ですよ、と返す。

名前を言ってないことに女が気付く。

女の名は、マリィと言うらしい。

男はジョルジュ・ロベェルだと名乗った。

マリィはにこりと微笑んで、髪を耳にかけた。

ジョルジュはマリィにお父様とはどう言う関係か、何の用でこの邸宅に来たのか聞かれた。

お父様とは師弟の間柄で、こちらには4女の家庭教師の相談を受けて来たと答える。

そう、と答え、お茶や用意されたお菓子を美味しいと言って喜ぶマリィ。

微笑み返すジョルジュ。

太陽が煌めいていて、良かったとマリィは言う。

でも、雨も素敵ですよ、とジョルジュは答える。

傘があれば雨も美しいものです、と続けた。

「銀色の翼で雨と言う透き通る宝石の様な針」を落として行く中を散歩するのは、とても気持ちが良いですよ…あなたもぜひお連れして差し上げたい。私と行ってくれますか?雨の円舞会…、とジョルジュが誘うとあらでは…いつかね、とマリィの表情が花が咲いたように明るくなる。マリィは何かの笑み必死で隠した。

そこから2人の会話が花開く。

いつの間にか夕暮れになる。

楽しかったと話すマリィ。

僕もですと答えるジョルジュ。

今夜の夜会には参加するの?と聞かれて参加します、と答えるジョルジュ。

それは楽しみね、と微笑むマリィ。


ーーあ…飽きた。


- - - - -

……?

ーー訪ねて来る人なんていたっけ?

 誰?

「ヴォン・ソワァ、ニラァジュです!

今日は、絵が売れたので前金を渡しにきました!」

 え?いいの?

「…引っ越したばっかりで必要かと思って。」

 ありがとう。

ーーなんか言いたそう。

「貸したのは、読みましたか?」 

 あぁ。読み始めた所。

ーーもう、既に飽きた気がするけど。

すっごいにこにこしてる。

「始めは進まないかもですけど、頑張って読んでくださいね!

面白いと思うので!!」

ーー言いたいこと言えて満足げな顔…。

みんな、最初の方で飽きる感じがするのか…。

もう、ちょっと読むかぁ…。

 あぁ、読んでみる。

ーーとりあえず、暇だし店に顔出そうかな。    

 ニラァジュは今から、何する…?

「俺は、まだ絵の仕上げ作業ですね。」

ーーまだってたぶん相当やってるな…こいつ…。

「モアさんを描くの楽しみにしてます!

俺、教えてもらうの、初めてなんですよォ!」

ーーなんか熱を感じたのは、人を描くのが初めてだから?

 あぁ。頑張って。

ーーそれから、なんでもない話をしながら下に降りる。

3階でニラァジュはぶんぶん手を振り自分の部屋に入って行った。


 

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