救命娘の過ごす日々 誰が悪いのか?この世界は酷過ぎる!
犬時保志
第1話 変な訪問者
今日は正月3日目、暮れにイ○ウゴフクで偶然見付けた驚異的に安い、1㎏398円の切り餅も無くなった。
インスタント味噌汁に1個入れて、食い繋いで来たのに……。
鶏のむね肉に里芋人参ゴボウの煮しめも、大量に作ったはずが食べてしまっていた。
冷凍庫に、メンチカツとポテトフライは有るけど、天ぷら油が揚げ物出来る程無い。
「面倒だけど買い物に行くか」
残念な事に、財布にお金がない事に気付いた。
暮れに金策、テレビにエアコンに洗濯機をリサイクルショップに3万5千円で売って電気代振り込みと食料を買った、残りが1753円しか財布に無かった。
登録ヘルパーの仕事で腰を痛め、訪問仕事できなくなって、コンビニバイトも長時間の立ち仕事出来ない情けない腰だ。
電気を止められては今の季節室内で凍死する、何とか電気代は振り込みしてるが水道代は3ヶ月も溜め込んでる、ライフラインの水道は簡単には止めないと聞いてるので申し訳無いが後回してる。
今の暖房はコタツにドテラ…夢も希望も無いアラフォーオバサンが私。
「お米2㎏袋だけでも買いに行くか…」
玄関を開けるとスーツ姿の見知らぬ、20歳くらいの男の子がドアの前に立っていた。
「…えっと…
「…そうですが?」
不信感が顔に出てたようで、男の子は慌てたように言った。
「怪しい者では…ありません…あのぅ、仕事の斡旋に来ました…僕は、そのぅ…あそこのコーヒーショップで、お話だけでも聞いて…頂けませんか」
「イチゴショートケーキ、おごってくれる?」
「何でも食べて下さい」
オバサンの厚かましさ丸出し!
「無料でケーキ食べれるなら、話は聞いてあげる」
イチゴケーキSワンホールとホットチョコレートを注文、クリスマスにも食べれなかったケーキだよ!一口食べて、顔がほころんでニマニマして来る。
出された名刺には『シドウ2級天使勧誘師』と書かれていた。
「シドウさんが名前?2級天使?風俗店の勧誘?」
「ち、違います!騙しに成らないように正直にお話します」
「ケーキを食べ終わるまで話は聞いてあげる」
資格取得できるまで、食事付き日給3000円、資格取得後の仕事は厚待遇高給保証するとか、怪しいよ。
「資格取得って、どんな資格なの?」
「担当になり1年全く勧誘できて居なくて特別に凄い資格を割り振られました、資格は『救命』です」
「キュウメイ?」
「命を救う救命です」
「救命?看護師みたいな資格?」
「もっと凄い…見てもらった方が早い!この後10分程時間を下さい」
飲み食い終わったので、家に帰って来た。
シドウ君はまだ着いて来てる、玄関前まで来た時話かけて来た。
「では、これから体験して貰います」
「え?」
一瞬の目眩の後、周りの景色が一転した。
古ぼけた町並み、砂漠の中のような
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