お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか
@EPO_SPRIGGAN
第1話 とある日曜日の午後
僕、服部 正直(まさなお)は、今彼女 岡田さんの家のキッチンにいる。もう何度目だっけか?
何をしているかと言えば夕飯の準備中。岡田さんと一緒に調理をしているところ。
彼女の家とはいえ他人の家で料理をしていることは普通ないのだけど、彼女の両親の希望でなぜか毎週のように日曜に料理をすることになってしまった。
別に岡田さんとの付き合いを許してもらうためにとかというわけではない、もう彼女の親父さんには気に入られてしまっているから。
試験勉強だったりお家デートのついでに昼食や夕飯を作ってる。
どこかに出かけた後にも頼まれることもあって大変だけど、その時はスーパーで買い物デートが追加されて楽しいには楽しいけどさ。
さて、今日はどうするかといえば、カレー……キーマカレーにでもしよう。
キーマカレー………ひき肉を使ったカレーでドライカレーだったり普通のとろりとしたカレーだったりする。どちらが正しいのかよく分からん。
うちではドライカレーほどドライではなくやや濃いカレーといった感じ。
基本の材料は、ひき肉、玉ねぎ、ジャガイモ。にんじんは嫌いなので入れない(食べれないわけではない)。
トッピングで、カボチャやピーマン、にんじん、アスパラなど焼いたり揚げたりできる野菜を付ける(ニンジンが欲しい人はここ)。
「岡田さん、ジャガイモ、1㎝弱角くらいでサイの目に切って。転がるから気を付けてね。ゆっくりでいいよ」
「こっちは玉ねぎ切るよ。こっちも1㎝弱角くらい」
「ジャガイモは切ったら電子レンジであらかじめ火を入れておくこと」
「はーーい」
「ジャガイモと玉ねぎを切り終えたら、調理な」
鍋に油をひいておろししょうがとニンニクを弱火で香りが立つまで炒めた後、ひき肉を火が通るまで炒める。
先にみじん切りの玉ねぎをあめ色になるまで炒めておいてもOK 。
ジャガイモと玉ねぎを入れて炒める。
玉ねぎがばらけて塩コショウをして下味をつけて、玉ねぎの水分を使って蒸し焼きにしながら時々かき混ぜる。
「水分が少ないと焦げるから、水の量と火加減も気を付けてね。水分が足りなくなったらお湯を少し入れて」
「はーーい」
玉ねぎに火を通している間に、事前に沸かしておいたお湯でカレーのルーを溶かしておく。
あまり緩くしすぎないように。
濃い分にはお湯で緩くできるし、少し緩いくらいなら火を入れればもう少しトロミが強くなるから。
玉ねぎが透き通ったら溶かしておいたルーを入れて、しばらく煮込めば完成。
トッピングは火が通りやすいように薄めに切っておく。
揚げ焼きなら食材の表面に粉を振って、フライパンにちょっと多めに油ひいて焼く。
単純に焼くならグリルで。
後はカレーを盛った皿に自分でトッピングを選べばいい。
完成したので岡田さんの両親を呼んできて食べることにした。
残ったお湯を使ってインスタントのスープも添えておく。
「これががキーマカレーか」
「うちの実家のですけどね。もっとドライなのもあるんで」
「にんじんが入ってないのね」
「僕が嫌いなんで入れてません。トッピングにはにんじんがありますからそれを付けてください」
「にんじん食べれないの?」
「食べれなくはないですよ。でも自分では買わないんで食べないんです。
それにカロチン取るならカボチャでいいし、野菜ジュースで十分です」
「ふふふふ」「はははは」
「では、いただきます」「「「いただきます」」」
いつもの具が大きいカレーではなく、肉もひき肉で小さいしジャガイモも玉ねぎも小さく数が多いから食感も違う。
スプーンに乗るジャガイモや玉ねぎの量も違うから結構甘口に味が寄ってしまう。
更に肉が違うから同じるーを使っていてもちょっと違う。
だからおいしいと思ってくれるか気にはなるな。まずいと言われなければいいだろう。
「ひき肉のキーマカレーだっけ?悪くないな」
「あなた、せっかく作ってくれたのに、そんな言い方ってないんじゃないの?」
「まぁ、カレーなんで極端に味が変わるもんじゃないですから、そんなもんですよ」
「ああ、悪い悪い。いつものカレーと違うひき肉のだけど案外いいなぁって話だ」
「おいしいと思ってるのならいいですけどね、ちゃんと言ってあげてくださいよ」
「岡田さん、どう?作るのも難しくないでしょ?」
「ん、おいしいよ。作るのは……慣れればかな」
「じゃあ、次は京子に作ってもらおうか」
「えーーーー、お父さん、ちょっと待ってよ」
また、一緒に作ることになりそうだ。
その後も楽しく話しながらキーマカレーを食べて食事を終えた。
多分来週も頼まれるのかな。
ちなみにこのキーマカレー、ミートソースの代わりにパスタにかけてもいいし、めんつゆで薄めてカレーうどんにしてもいい。
だから多めに作って小分けにして冷凍しておいて、後で昼飯とかに使えるよ。
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