2024.06.11(火)

2024.06.11(火)


 先日『山田玲司のヤングサンデー』内で、YouTube配信がメンバー限定部分まで無料公開されていた。これはさいきんニコニコ動画がハッカーの被害に遭って、通信障害を起こしているためだった。しばらく復旧のめどはつかないらしく、しかもニコ動の公式発表では、今後のサービスは、外部からのハッキング操作の影響を受けにくいシステムに全面的に変更するとのことだった。国産の動画配信プラットフォームで、それなりに力を持っているのは思いつく限りではニコ動くらいなので、今回のトラブルを糧にして、さらなるサービス向上の実現に向かっていってほしい。


 先日から引き続き、わたしは『村上春樹クロニクルBook1』を読んでいた。彼女は、ひさしぶりにテリー・ブルックスの〈ランドオーヴァー〉シリーズ第一巻『魔法の王国売ります!』にあたっていた。いよいよ彼女は「5 クエスター・スーズ」の章に差し掛かっている。クエスターの初登場シーンはたしかに面白い。彼女もクエスターのキャラクターが好きになったといってくれた。宮廷魔法使いなのに、魔法の腕は三流なのかと疑ってしまうようなことになっている。しかもどこか道化めいていて、素性すら確かならざる者のように見えてくる。主人公ベンが「おいおい大丈夫なのか」と思ってしまうのもわからないでもない。しかしこのクエスターの至らなさもまたベンの心象風景たる世界としての〈ランドオーヴァー〉と読み替えてみれば、また別の意味もそこに付与されるからいろいろと感慨深い。

 彼女は読んだ時の印象のままに宮廷魔法使い〈クエスター・スーズ〉の肖像画を描いてくれてた。ガンダルフに通じる味わい深い皺の数。円熟の年輪といったところ。


 その後、わたしもファンタジー小説を読みたくなって、つづきになっていたマイクル・ムアコックの『エルリックサーガ3 暁の女王マイシェラ』の「薔薇の復讐」を読んでいった。舞台は中世のヨーロッパのとある地域。ジプシーなどが登場する。主人公たちもどこに向かうのかわからない旅を続けている。〈薔薇〉の説明もあったけれど、うまく消化しきれていない。三人の女の正体もちょっとあやふやに。詩人ウェルドレイクはこの物語でどんな役割を果たすのだろうか。


 読みながら椅子に座っているのに疲れてきたため、床に座布団とひざ掛けを敷き、そこに腰を下ろすことにした。VCの関係上、寝室の布団の上で寝そべることもできないため、たまに腰と足を延ばして楽な姿勢を取りたくなることがある。体もちょっと楽になった。あと眠気もすこし飛んだように思う。


 その後、晩御飯にする。

 彼女は砂肝のソテーと、ツブ貝のお刺身、水菜とカニカマのサラダ。あと、漬けサーモンといくらのおにぎり。

 わたしは豚バラ肉の生姜焼きと刻みレタス(マヨ)、アイヌネギの冷奴、煮豆のラスト、とろろ、お味噌汁、白米。


 2時半から4時まですこし休む。

 4時起床。起床後、日記を書く。


 日記後、ゲームの時間に切り替え、彼女と一緒に『ドラゴンズクラウンプロ』をそれぞれオフラインで遊ぶ。彼女のほうがまだストーリーを進め切れていなくて、オンライン機能を使えないためだった。彼女はソーサレスでストーリーを進めて、ようやく馬屋が開放されたところ。Lvは10あたり。おそらく各ステージのBコースを攻略して、いまの難易度のラストまで進めなければオンラインで共闘するのは難しいのだろう。まだもうちょっと我慢しなければならない。わたしはメインキャラのファイターでステージを8つほど攻略してLvは123から124に上昇する。


 その後、朝食をつくる。

 朝食は、簡単に。目玉焼き(×2)と魚肉ソーセージのソテー、納豆(梅肉&ねぎ)、サニーレタスのサラダ(ごまだれ)、お味噌汁、白米。

 彼女はクリームワッフルとキウイのヨーグルト和え。あと温かい飲み物。


 そしてXのトレンドで、さいきん気にいっている『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』の連載第三回がネットでも公開されていたので閲覧しに行く。今回は健康診断を受けるために前夜に絶食するという話。

 ストーリー、あいかわらずの勢い。

 その後、この漫画のまとめ動画を見にいったけれど、そこでも「体に悪そう」だとか、「自分の食生活を見直したくなった」だとか、「死と隣り合わせなのが斬新」だとか、さんざんな言われようだった。たしかに一食で3,000kcalオーバーの摂取カロリーとかわたしでもやらないからなと思った。ペヤング超大盛を連続で2個食べるとか、もはや狂気の沙汰といわざるを得ない。(注意:褒めてます)


 その後、眠ることに。

 睡眠学習は伊集院さんの『深夜の馬鹿力』。

 昼2時起床。起きてすぐに彼女に電話を入れてVCにつなぐ。

 この時間に彼女はすでに起きていて、わたし宛ての荷物の手配をしてくれていたらしい。

(予定は未定とはいうものの、)わたしのほうからも彼女に送る荷物を早いうちに詰めてしまいたいと思っているところ。


 そして夕食にする。朝に引き続き、夕食もそこまで手のかからないものに。

 そうめん(しょうが&ねぎ)、焼きナス(すりごま&めんつゆ、貰い物)。


 その後、入浴。入浴中に背徳の習慣――ソーダフロートのかき氷を湯船につかりながら食べるという暴挙。


 上がってきてから、動画視聴の時間に切り替える。彼女とともに〈山田玲司のヤングサンデー〉のW村上回の、村上春樹さんにスポットを当てた切り抜き動画だった。彼女と視聴しながら、なぜ村上作品が性格的に合わないのか、彼女の意見も聞くことになった。村上さんは、現代日本のありようをそのまま作品のテーマにしてしまっている。自分の行動に責任を取らない、現状をかえようと試みない主体性のなさなどが、彼女には許せないらしいことが分かった。わたしはそれもわかったうえで、上の世代の書くことだからなとちょっと受け身に思っているけれど、彼女との受け止めの差は、小説自体をどのように読んでいくかという個人の読み方のちがいのようにも思われた。彼女の見方もわかる気がする。


 その後、ゲーム『モンスターハンター』シリーズの解説動画を視聴する。今回見た動画は解説が丁寧、また使用される引用文もしっかりしたもので、どこか〈何か分かりづらいチャンネル〉さんに通じるものを感じた。面白い。他の動画も見てみたくなる。


 6時半、勤務へ。

 勤務の休憩時間には髙山正之さんの『変見自在 トランプ、ウソつかない』(新潮文庫)を読む。


p.50


〈「おふくろの味」という。

 新婚の夫が新妻の作る味噌汁に「んー」とか言ってダメを出す。「味噌汁の具はそうめんだろう」とか。

 亭主の困った「お袋の味」が終世、妻を悩ます。

 こちらはその点、母の味にこだわりはない。亡くなった母は男ばかり5人を育てた。「15年間もおしめを洗い続けた」とよく言った。「働きづめ。少しは火事の手抜きもあるわ」

 食べ盛りの5人を食わせるだけでも大変で、安くて面倒くさくない、例えばサバの煮つけとか高野豆腐とかが食卓の上にいつもてんこ盛りにされていた。

 新聞記者になって、家を出て高野豆腐を見ないで済むのが何より幸せだった。〉


「コメの旨い食べ方を米国務省の役人に教えてみたら……」より引用。


 彼女は高野豆腐が苦手らしい。髙山さんと理由はまた異なるのだろうけど、読みながら、高野豆腐が出てきた! と思って彼女との共通点に、休憩室でちょっとくすっとしてしまった。しかし苦手な人でも高野豆腐を美味しく食べてもらうにはどうすればいいんだろう。案外いけるね、と思ってもらえるか、やっぱり無理、となってしまうのか。運命のわかれみち。

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