うまな式魔法術と科学技術
急激に進化を遂げている魔法技術と対をなすものに科学技術があるのだが、日本における科学技術も『うまな式魔法術』の恩恵を受けていると言えるのだ。
魔法が使えない人でも自分の身を守ることが出来るという目的で開発されていた科学兵器の多くは消費するエネルギーを確保することが問題であったり、実弾兵器に至ってはそもそも一般人は弾薬を気軽に手に入れることが出来ないという問題があった。
その二つの問題を『うまな式魔法術』はいとも簡単に解決させてしまったのだ。以前からも隊士用に魔法をエネルギー源として使用する兵器は装備されていたのだが、一億総魔法使いとなった日本では強力な魔法を使うことが出来なくても安全に身を護ることが出来る護身用の武器として広く使用されることになっていったのである。
護身用としての使用意外に使えないようにと開発された機械は人間に対して使用することが出来ない仕様となっている。『うまな式基礎魔法術』の中に同じ流派の魔法使いに対しての攻撃は全て無効化されるという事もあって人間に向けて使用しても同じ『うまな式魔法術』の使い手であれば何の効力もないという事になる。回復治癒系の魔法も当初は無効判定されてしまっていたのだが、対象を傷付けない魔法のみが無効化されないという形に落ち着いたので問題はなくなったようだ。
日本人だけが使える『うまな式魔法術』に関しては諸外国から批判も多く寄せられたのだが、それに対して『うまな式魔法術』の開発者である栗宮院うまなは英語版とスペイン語版の技術書を各国へ寄贈したのだった。
ただ、『うまな式魔法術』を使用する際に必要な宗教観や倫理観の問題もあって広く普及することはなかったのである。神の存在をある意味では肯定しある意味では否定する『うまな式魔法術』は日本人以外の人種には受け入れることが出来なかったのだ。
中には日本人と同じように多面的に神をあがめる人もいて『うまな式魔法術』を使うことが出来るモノもいたのだが、そういった者たちはみなあらぬ謂れを受けて迫害されてしまったのだ。
誰もが使うことの出来る『うまな式魔法術』ではあるが、本人の気持ち以上に回りがそれを受け入れる必要があるため日本以外の場所では大っぴらに使用することもはばかられてしまうのも事実なのである。日本人のみが使えるというのは語弊のある表現かもしれないのだが、概ね間違ってはいないと思って差し支えないだろう。
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