2024/4/14 O.J.シンプソンと知名度の話
1970年代にバッファロー・ビルズで活躍していたO.J.シンプソンが死去しました。
ただ、NFLを見ている私を含めても「おぉ、あのアメリカンフットボールの名ランニングバックが亡くなったのか」と思った人はほとんどいないのではないでしょうか。
シンプソンと言えば、当時の妻を殺害したんじゃないかという事件とその裁判で知られている人物だろうと思います。
偶々ですが、同じ日に水原元通訳が起訴されました。
で、二つの話を連続で見て、「ひょっとしたら水原氏のおかげで大谷翔平は更に有名になったのではないだろうか」という気にもなりました。
と言いますのも、野球はアメリカにおいてもマイナースポーツでして、「イチローは知らないけどタジリ(同時期にWWEに所属していたプロレスラー)は知っているアメリカ人が結構いる」とか言われたくらいなわけです。
今で言うなら「野球を見ないからオオタニは知らんけど、レッスルマニアを見たからアスカやシンスケ・ナカムラ(今年は出なかったけど)は知っている」みたいな話も普通にありえるわけです。
ただ、野球という競技があること自体は大体が知っていて、その野球のナンバーワン選手の周囲に賭博疑惑がある。「へえ、オオタニっていうのがいるんだ」と今回の件で知った人は結構多いと思います。
アメリカもそうですし、ヨーロッパなんかは特に。
そもそも、ピート・ローズが有名なのも彼が最多安打を記録したからではなく、永久追放を食らったからであって、それがなければジョージ・シスラーよりは知られているだろうクラスだったかもしれません。
ローズと同じ時期同じチームでプレーしていて「MLB歴代最強捕手かもしれない」と言われているジョニー・ベンチを皆さんご存じですか(笑)?
大谷選手、水原氏、胴元も含めて当事者はそれどころではないでしょうけれど、ちょっと俯瞰的に見ると「これでオオタニ、更に有名になる」というのは間違いないわけで、彼くらいになると販路が一個広がるだけで24億円くらいはすぐ回収となりそうな感はあります。
「本人は被害者だよ」と司法が宣言したことで、これ以上のわずらわしさもなくなりそうです。
もちろん今は大変でしょうけれど長い目で見れば、本人があまりリスクを負うことなく更に有名になる道筋が出来たとも言えるのかもしれません。
さて、話がそれてしまいましたが、選手としてのO.J.シンプソンを回顧してみましょう(もちろん現役時代見てないけど)。
彼の通算ラン記録は現在21位ですが、これは試合数増加の影響もありまして引退当時はジム・ブラウンに続いて2位でした。ジム・ブラウンというのはアメリカンフットボール史においてもちょっと特別過ぎる存在なので実質1位だったと言ってもいいかもしれません(コラ)
ランニングバックというのは基本的に寿命の短いポジションでして、シンプソンも全盛期は5年、ただ、その期間は全部オールプロ、MVPも1回取っています。
チーム自体はあまり強くなく(ビルズとジェッツはいつも残念なチームだ)、プレーオフでの成績は振るわなかったのですが。
で、当然殿堂入りしています。
刑事事件無罪だから、はく奪なんて話もなかったのだろうと思います。
しかし、これ、入る前に事件を起こしていたら、どうだったんでしょうねぇ。
日本だと無理でしょう。アメリカなら投票対象にはなるけど入れない、ということになったかもしれませんね。
逆に日本の殿堂入りした人がシンプソンみたいな刑事は無罪だけど、民事は有罪でしたなんて場合、どうなるんでしょうかね。
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