第5話

兎に角、もはや、東中野などには住めない。


どうして、あそこに銀行口座を作らねばならないのか


わからない? 骨粗鬆症は嫌だしな。


ああ、オフィスを設けるのだな。



このつまらない町でも、いろいろな事があったんだ。


結婚もしたし、小学校から大学まで通ったし、


オバさんのお陰だ。昔の人は、他人の面倒をよくみたんだ。


俺は、1円も遣わず、有名な私立大学に入れた。


都心部のお金持ちのお嬢さんが通う名門大学に入れた。


だがね、


俺は東中野という殺風景な街の片隅で暮らす孤独な野良犬だったんだ。















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