第11話 木曜日のペッタン

松の内の日にちが地方によって異なるように鏡開きの日にちも地方により、さまざまだ。

カレンダーには1月11日に「鏡開き」の文字がある。

昔は二十日正月といって20日に鏡開きを行っていたのだが、三代将軍、徳川家光が慶安4年4月20日に亡くなり、月命日と重なるため、20日を避けて11日になったと言われていた。


餅をついているような

ペッタンペッタン、という音。


今日のペッタンペッタンは、餅つきとは違う。

小さな鏡餅パックに、小さな辰のフィギュアがのっかっているのを開けていたのだが、フィギュアがしっかりとくっついていて、とれない。

粘着質の透明ガムみたいなもののせいでプラ型餅から離れない。

ようやくフィギュアがはずせたら、今度はベト〜ンと粘着が残っている。

ペッタンペッタンしながら、きれいにはがすしかない。

餅は飾らずとも、かわいい辰フィギュアは一年間飾りたいから。


ペッタンペッタン ペッタンペッタン

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る