【GM用】シナリオ

《オープニングフェイズ》

・シーン1:日常の象徴 PC②

あなたは昼休みに、UGN日本支部霧谷雄吾支部長から通信を受けていた。


霧谷:「こんにちは。PC②さん。学校は楽しめていますか。」

霧谷:「あなたの活躍は聞いています。特にイリーガルでありながら、ジャームの討伐数には目を見張るものがあります。日本支部エージェントの間でも、あなたを正式にエージェントとしてスカウトすべきではないかという意見も出ているほどですよ。」

霧谷:「ただね、私はイリーガルの方をむやみにエージェントにするべきではないと感じているのですよ。」

霧谷「あなたにはオーヴァードとしてではない、日常がたくさんあるはずです。それを私は大切にして欲しいのです。」


あなたと霧谷が話をしていると、遠くから相澤月の声がする。


月:「おーい、PC②くーん。授業始まっちゃよー。」

霧谷:「例えば同級生とのふれあいとかね。任務の間の日常も大事にしてください。それでは定時カウンセリングを終了します。おっと、お友達にはUGNのことは内緒で頼みますよ。我々は一般の方には秘密の組織ですので。」

月:「あ、いたいたPC②君。誰と話していたの?」

月:「もう、電話に夢中になるのもいいけど、授業始まっちゃうんだからね。」

月:「迎えに来てあげた私に感謝するのよ、PC②君。さぁ、行こう。」


月に促されて、PC②がつかの間の日常を謳歌し始めたところで、シーンをカットする。

・シーン2:緊急招集 PC③

あなたはUGN日本支部から送られてきた情報を見ていた。

霧谷雄吾からのメッセージには、「至急対策を練るように」と記されていた。

T市に春日恭二が入ったという情報である。春日恭二はその不屈の精神力で、何度も何度も蘇る不屈の男で、非常に危険なFHエージェントである。しかも最近の春日恭二はFHの幹部アルフレッド・J・コードウェル博士の指揮のもとに活動しているという。春日は博士の指示で何かを探しているというが、それが何かは分かっていない。

情報の最後には、霧谷からの電子メッセージが記録されており、あなたに指令が下されていた。


霧谷:「春日恭二の目的と居場所を調査し、コードウェル博士の野望を打ち砕いてください。」


PC③が情報を整理し、支部のメンバーに招集をかけたところでシーンをカットする。

・シーン3:太陽と月 PC①

あなたはUGNチルドレン、UGNに育てられたレネゲイドの申し子だ。

学校から帰るとあなたは相澤太陽のアパートに来ていた。これからT市に現れた春日恭二に対抗するためにT市支部で会議があるのだ。あなたは太陽をアパートまで迎えに来ていた。

インターホンを押すと女の子の声で返事があった。


月:「はい。あ、PC①!こんにちは。お兄ちゃんでしょ。ちょっと待ってね、アイツまだ帰ってきていなくて。」

月:「全くどこで油売ってるんだか、PC①と約束してるんなら、まっすぐ帰ってこないとダメじゃん。」

月:「はい、お茶どうぞ。私とPC①が話すの久しぶりじゃね?昔は妹みたくかわいがってくれたのに、最近はお兄ちゃんとばっかりいちゃいちゃして……もしかしてBL?」

月:「たまには私のことも構ってよね……。小さいころから家族みたいだって思ってたのに、私だけのけ者だなんて、淋しいじゃん。」


ガチャリと部屋の扉が開いて、相澤太陽が帰ってくる。


太陽:「あれ、PC①。月となんお話してるの?」

月:「馬鹿兄貴、PC①はあんたを迎えに来たんだよ。約束してるなら、すっぽかしちゃダメでしょ。」

太陽:「ああ、なるほどUG……あーこれ内緒だった。ごめんごめん。それじゃあ行こうか、PC①。」


PC①と太陽が会議のためUGN T市支部に向かった時点で、シーンを終了する。

《ミドルフェイズ》

・シーン4:オーダーメンバー PC③

全PCに登場を求める。

PC③が全PCと相澤太陽を呼び集めたシーン。霧谷雄吾も通信で会議に出席する。

霧谷の仕切りで全員の自己紹介を行った後、オープニングフェイズでの情報を、PC③より共有してもらう。


霧谷:「改めまして皆さん、こんにちは。私はUGN日本支部支部長の霧谷雄吾です。」

霧谷:「今回はT市支部の皆さんに指令があり集まっていただきました。皆さん既に顔見知りかと思いますが、記録に残す意味もございますので自己紹介をお願いいたします。」

太陽:「相澤太陽です。チルドレン出身。可愛い妹がいます。えっと後は何を言えばいいんだっけ。そうそうコードネームはフレア・プラズマ、サラマンダーシンドロームです。よろしくお願いします。」

霧谷:「皆さん、ありがとうございます。今回はこの4名で作戦に当たることになります。作戦の詳細と達成目標については、あらかじめPC③さんにお伝えしています。」

霧谷:「今後情報収集などに当たってもらうと思いますので、現場の指揮をPC③さんにお預けします。それではよろしくお願いします。」

霧谷:「では、明日から本格的に活動を行ってください。ミーティングを終了します。」


PC③からの情報提供が終わったところでシーンをカットする。

・シーン5:その男、春日恭二 PC②

条件充足後PC①、PC③共に登場可能。

次の日、学校の昼休みにて。あなたは屋上で、月と昼食をとっていた。


月:「まったくPC②君ってば何か秘密を隠してるみたいなところがあるよね。」

月:「私のお兄ちゃんもそう。私、隠し事してる人はなんとなくわかるの。ねぇ、君は私に何を隠してるのかなぁ?」


その時、乱暴に屋上の扉が開く。春日恭二が白いスーツを警備員の血に染めてたたずんでいた。手は異形化していて、既に臨戦態勢だ。


春日:「お嬢さん、それはもしかしたら、自分が怪物という残酷な事実かもしれませんねぇ。」


ギラリを笑った春日恭二と視線が合った月は、ふらりと倒れる。ワーディングが展開され、月が無力化されたのだ。


春日:「この娘は貰っていくぞ。博士の崇高なる計画の贄となるのだ。拒むのなら、この敏腕FHエージェント春日恭二様がお前の相手をしてやろう。」


ミドルフェイズ戦闘に移行する。敵は春日恭二1体。PCと敵との距離は5mとする。PC①、PC③はワーディングを感知したあと、学校の屋上に到着するまで、タイムラグがあるため、2ターン目の開始時に戦闘に参加できる。勝利条件は春日恭二を一度戦闘不能にすることである。春日恭二は戦闘不能後[蘇生復活]で復活し、[瞬間退場][瞬間退場Ⅱ]で月を伴って退場する。


春日:「ええい、次から次へと煩わしい。ふん、だが目的は果たした。戦いに勝とうが負けようが、私の勝ちには違いないのだ。フハハハハハハ!!」


戦闘終了後、シーンをカットする。


・シーン6:猜疑心 PC①

PC②、PC③は任意登場。

場所は、相澤家のアパートも一室。PC①は太陽と会話をしていた。


太陽:「どうして、だって月はオーヴァードじゃない。ただの一般人で、護ってくれる親のいない、孤児なのに。なんでコードウェル博士は月を狙ったの?」

太陽:「わからないよ……。」

太陽:「俺のたった一人の家族だったのに……。それはお前だって、PC①だって同じじゃなかったのかよ!お前だって月を家族のように思ってくれていたんじゃなかったのよ。」

太陽:「なぁ、どうしてお前は月をみすみす奪われるようなヘマをしたんだよ。」

太陽:「その場にいたのにさぁ。」

太陽:「俺か?俺はその時間重要な電話を受けていて、その俺のことはいいだろ。」

太陽:「お前が、お前たちがしっかりしていなかったから。」

太陽:「俺、自信ないよ。お前たちとは、もうやっていけない。」

太陽:「月を取り戻すのは、俺だ。」


太陽はそこまで言うと、アパートを出て行ってしまう。PCがその場に取り残されたところで、シーンをカットする。


《情報収集フェイズ》

・a-1春日恭二

情報裏社会:8

UGNエージェントに倒された回数は数えきれないが、その度に何度も蘇る不屈のFHエージェント。近接戦闘を得意とし、強力な生命力を武器に戦う。これまでに複数のFHセルからスカウトとリストラを繰り返されており、現在は日本で活動しているFH幹部、アルフレッド・J・コードウェル博士の指揮下に入っているようだ。


・b-1相澤太陽

情報UGN:7

UGNチルドレン出身のエージェント。PC①の同期生であり、孤児。幼いころに両親をFHエージェントに殺された過去を持つ。その時の衝撃で覚醒してしまった相澤太陽はUGNに引き取られ、霧谷雄吾の庇護の下で成長した。少し抜けたところのある性格をしているが、根はまじめで少々抱え込みやすいところのある青年。


・b-2相澤太陽の重要な電話

情報WEB:9

相澤月が襲撃を受けていた時間の相澤太陽の端末の通信記録を調べると、確かに着信があったことが分かる。着信記録を再生すると、電話の相手はアルフレッド・J・コードウェルを名乗り、部下が相澤月を確保に向かっていると相澤太陽を脅していた。相澤月を無事に解放してほしければ、UGNには黙って、1人で所定の場所までくるように要求していた。


・b-2相澤太陽の居場所

情報UGN:9(d-1判明後調査可能)

相澤太陽はアパートを出た後、市内の廃墟になった教会に立ち寄っている。その後は彼の端末を検索できなくなっているようだ。(イベントシーンが発生する。)


・c-1相澤月

情報噂話:7

相澤太陽の妹。PC②の同級生であり、孤児。両親を亡くした時はまだ赤ん坊であったため、両親を知らずに育つ。相澤太陽だけでなく、彼の同期生のPC①を兄のように慕っている。気が強い性格をしているが、それは育った境遇の裏返しでないかと感ぜられる。


・c-2相澤月の居場所

情報噂話:9(a-1判明後調査可能)

春日恭二の目撃情報を辿っていくと、怪しい場所に行き当たる。最近春日恭二が出入りしている廃病院である。春日恭二はここ最近、廃病院に通っている。春日恭二が起こした事件の被害者を廃病院に集めて、人体実験を行っているのではないかともっぱらの噂だ。(トリガーシーンへの移行が可能となる。)


・d-1アルフレッド・J・コードウェル

情報UGN:9

UGNの創設者にして現在はFHの幹部エージェント。反逆の聖人イスカリオテ。春日恭二などのエージェントを手駒として使う冷酷無比な指導者である。シンドロームをはじめ様々なことが不明だが、1人で大規模な支部を壊滅させる程の戦力を有しているトップエージェントでもある。現在日本支部に焦点をあて何かを探しているという。


・d-2アルフレッド・J・コードウェルの今回の目的

情報裏社会:11

コードウェル博士が今回の研究テーマにしているのは、ロイスの解明である。ロイスはタイタスにして昇華することで莫大な力を発揮する。しかし、基本的にジャームはロイスを持つことはできないので、必然的にタイタスの力を行使することができない。コードウェル博士はロイスが何かを解明することで、タイタスの力を再現しようと図ったのだった。


・d-3アルフレッド・J・コードウェルの研究手法

知識レネゲイド:11

既に日常に強い結びつきを持っている、親族が一般人のオーヴァードをジャーム化させることによって、そのロイスが維持されるのかを観察しようとしている。つまり相澤兄妹の例では、コードウェル博士の研究対象は一般人である月ではなく、オーヴァードの太陽である。


《イベントシーン》

・シーン8:獣の呼び声 マスター

打ち捨てられた教会の割れたステンドグラスの明かりの中に2つの人影があった。長身のコードウェル博士と痩身の相澤太陽だった。


コードウェル博士:「歓迎しよう、フレア・プラズマ。君の望みはなんだ。」

太陽:「妹の解放だ。俺は約束を守って、1人でここに来たぞ。」

コードウェル博士:「そのようだな。だが、知恵が少し足りなかった。お前にはUGNがつけた端末がある。じきにここの場所は使えなくなるだろう。その分の埋め合わせを、私は要求する。」


コードウェル博士が指を鳴らすと、太陽のポケットから煙が上がり、端末が音を立てて床へと落ちる。


コードウェル博士:「妹の解放のためにはこの注射を打ってもらおう。何心配することはない。これは単なるレネゲイド活性化薬だ。君がジャームになる以外、何も人体に悪影響はない。」

太陽:「えっ。」


太陽が反応するよりも早くコードウェル博士の手刀がひらめき、太陽は気絶してしまった。そして慣れた手つきでコードウェル博士は注射を太陽にする。


コードウェル博士:「春日、こいつを病院に送れ。じきにUGNが病院を襲うだろう、そこでいつらがタイタスの力を使うのかを観察するのだ。」

コードウェル博士:「今回の実験、上手くいってもいかなくても新たな世界が開かれる。私たちの未来は明るい。」


怪しく、コードウェル博士がほほ笑んだところで、シーンを終了する。

《トリガーシーン》

・シーン9:今できること PC③

PC①、PC②も登場。

廃病院への移動中に、霧谷雄吾から通信が入る。


霧谷:「みなさん、春日恭二が陣取っている廃病院を発見されたのですね。」

霧谷:「今回の件はコードウェル博士が絡んでいる可能性が高いです。全員でまとまって、行動をしてください。」

霧谷:「事態の重大性を鑑み、他の支部からも応援が向かっていますが、距離から考えて、皆さんのみで対処をする形になると思います。現有戦力がすべてと思って臨んでください。」

霧谷:「太陽さんについては現在私の方でも捜索中です。UGNの端末は途中で破壊されてしまったようですが、現在その残骸を調査班が回収に向かっています。なにか分かればまたご連絡いたします。」

霧谷:「それでは現場が近くなってきたようですね。気を引き締めてよろしくおねがいします。」


霧谷との通信が終了する。GMはPC達にロイスの取り忘れがないかを確認し、シーンをカットする。

《クライマックスフェイズ》

・シーン10:そして友と出会う PC①

全PCに登場を要求する。

日没に浮かぶ廃病院。その姿は漆黒の巨塔だった。廃病院の中は雑然と積まれた医療機器に壊れたベッド、この場所が衛生的だった時などないと思わせる鬱屈とした匂いに支配されていた。廃病院の屋上、かつては草花が生い茂り美しかったと思われる空中庭園にその男、春日恭二はいた。


春日:「おやおや、UGNの皆さんにしてはお早い到着だ。」

春日:「お嬢さんなら、ここから2フロア下の研究室にいる。もちろん私が持っているカードキーを使わなければ、中には入れないがね。」

春日:「貴様らにはコードウェル博士の実験に参加する名誉を与えよう!きたまえ、フレア・プラズマ!」


春日恭二が指を鳴らすと、あなたたちの背後から相澤太陽が現れる。しかし、彼の様子は明らかにおかしく、あなたたちの声は耳に届いていないようだった。


春日:「彼にはジャームになってもらった。もう貴様らの声は届かない。唯、一つの望みすらないんだよ。望みがあるとすれば、奴がジャームになったのはほんの数時間前、薬によって強制的に浸食率を上げたことだ。」

春日:「もしも、お前たちと共通の思い出が奴の中にあれば、億分の一位の希望はあるんじゃないかなぁ。」

太陽:「月……月……どこなんだ月―!!」


獣の咆哮が響く、春日の笑いが木霊する。あなたたちの背筋に悪寒が走る。膨らんだレネゲイドの衝動がその場を支配する。

衝動判定を行う。

意思:9

衝動判定に失敗した場合、バッドステータースの暴走を得る。その後全PCは浸食率を2D10上昇させる。


戦闘を開始します。

戦闘配置は全PCが1エンゲージとなりその前に10mを開けて春日恭二を配置する。春日恭二からPC達を挟んでさらに10mを開けたところに相澤太陽を配置する。春日恭二と相澤太陽の距離は20m、その中点にPC達のエンゲージを置く形になる。

勝利条件は、エネミーの全滅。エネミーとは春日恭二、相澤太陽を指す。


春日恭二は、はじめのセットアッププロセスにて「戦力増員」をLV2で使用する。相澤太陽のエンゲージにトループUGNストライクハウンド(弱体化調整データ)を2体未行動で配置する。これらは相澤太陽と同じように身内を人質に取られ、ジャーム化薬を打たれた犠牲者である。


戦力増員使用時

春日:「パーティーの始まりだ。大勢で楽しもうじゃないか!」

先陣の火使用時

太陽:「早く、もっと早く。月の元へ。」

極大消滅派使用時

太陽:「邪魔だ!どけー!」

フレア・カノン使用時

太陽:「もう俺には、誰が敵で、誰が味方かわからないんだ。」

陽炎使用時

太陽:「月に会うまでは、死ねない。」

敗北時

太陽:「俺は何をして、今まで……もう遅いのかな。」


エネミーの全滅後バックトラックを行う。

この際に相澤月のロイスを全PCが保持していた場合、シーン11bに移行する。

それ以外の場合は、シーン11aに移行する。

《エンディングフェイズ》

・シーン11a:あの子の太陽 PC①

春日恭二は撃破した。カードキーはあなたたちの手中にある。春日恭二自身は廃病院の屋上から落ちて行ったので、じきに死亡報告が上がるだろう。あなたは動かなくなった友の下に駆け寄っていった。レネゲイドを酷使しすぎたのだ。相澤太陽はあちこちの血管から血を流し、あとは死を待つだけとなっていた。


太陽:「月は、月はどこだ……。たった一人の俺の妹……。」

太陽:「よかった。俺は、馬鹿だった。家族みたいに育ってきたのに、最後の最後でお前を信じて任せることができなかった。」

太陽:「だから、罰が当たったんだ。そんな顔するな。笑ってくれ、PC①。お前は俺の分まで笑ってくれ、月のために、太陽のように笑ってくれ。」


そこまで語ると太陽は動かなくなった。夜のとばりがおり、冷たい風があなたの頬を撫でていく。シーンをカットする。


・シーン11b:あの子の太陽 PC①

春日恭二は撃破した。カードキーはあなたたちの手中にある。春日恭二自身は廃病院の屋上から落ちて行ったので、じきに死亡報告が上がるだろう。あなたは動かなくなった友の下に駆け寄っていった。レネゲイドを酷使しすぎたのだ。相澤太陽はあちこちの血管から血を流し、あとは死を待つだけとなっていた。


太陽:「月は、月はどこだ……。たった一人の俺の妹……。」

太陽:「よかった。俺は、馬鹿だった。家族みたいに育ってきたのに、最後の最後でお前を信じて任せることができなかった。」

太陽:「だから、罰が当たったんだ。そんな顔するな。笑ってくれ、PC①。お前は俺の分まで笑ってくれ、月のために、太陽のように笑ってくれ。」


そこまで語ると太陽は動かなくなった。夜のとばりがおり、冷たい風があなたの頬を撫でていく。

すると屋上の扉がばたりと開き、月が駆け込んでくる。


月:「お兄ちゃん。」


月は倒れている太陽に駆け寄ると、彼を熱く抱きしめた。

すると見る見るうちに太陽の傷がふさがっていく。リザレクトが働き始めたのだ。ジャームでは決して発動しないリザレクトが働き始めたということは、太陽がオーヴァードへと戻ったことを意味していた。


太陽:「あれ、月。俺夢を見ているのかな。とても暖かい。」


どちらともなく泣き出した兄妹を囲むあなたたちの耳に、UGNの事後処理班を乗せたヘリコプターの音が聞こえるのであった。

シーンをカットする。

・シーン12:ねぎらい PC③

霧谷雄吾へ報告をするシーン。


霧谷:「ご苦労様でした。他の支部の援軍が届く前にしっかりと事件に終止符を打ってくださいましたね。」

霧谷:「ジャームがタイタスを使えるようになることは想像するだけでも恐ろしい事態です。コードウェル博士の研究を破壊できたのかは分かりませんが、とりあえずの実験場を潰すことができたのは大きな成果といえるでしょう。」

霧谷:「今後もよろしくお願いしますよ。」


霧谷との通信が終わると、シーンを終了する。


・シーン13:いつも通り PC②

一般人である相澤月には記憶修正が入った。あなたと月の日常は以前の通りに戻った。昼休みに学校の屋上であなたたちはこれまでのように冗談を言い合う。その陰に、死闘があったことを彼女は知らない。そしてそれを彼女に知らせないためにあなたはこれからも戦い続けるのである。


月:「ほらPC②君、午後の授業が始まっちゃうよ!」


彼女に急かされながらあなたが屋上を後にしたところでシーンをカットする。


・シーン14:新しい日常 PC①

シーン11でどちらのルートを辿ったかによって状況が異なる。PC①も日常を描写してシーンを終了すること。

aルートを通った場合、相澤太陽は死亡し、相澤月は自分に兄がいたことを憶えていない。太陽の存在がないので、あなたとも、以前のように冗談を言い合う関係性ではない。大切な日常の喪失を描く。

Bルートを通った場合、太陽や月とのこれまで通りの日常を描写してシーンを進行するといいだろう。

To be continue...


経験点配布

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