第199話親を施設に入れることへの罪悪感と安堵感
今日、母を無事にショートステイに送り届けた。順調に行けば、実家に帰ることなく、そのまま特養へ入居となる。ショートステイと違って、特養に入れるということは、ほとんど別居するのと同じ。介護の必要な親を施設に預けること、それはどうしても罪悪感を伴うな。
この二年半ほど母の介護をしてきた。働きながらの介護、父の助けなしにはできなかった。それは本当に感謝している。この二年半を振り返ってみると、我ながらよくやったと思う。徐々に悪化する母の認知症。それは想像以上にきつい。徘徊するのはもちろんのこと、ワガママが激しくなってきて、1日中、冷蔵庫の中をあさる。ものをすぐに捨ててしまう。
そして、一番きついのは、トイレ誘導。夜中のトイレ誘導は頻繁にあるので、寝不足必至。それが一番きつかったなぁ。
なので、かなりの精神的、肉体的負担が大きい介護。徐々に介護施設のお世話にならないとやっていけなくなった。
母と一緒に生活するのは、もちろん、苦だけではない。母の喜ぶ顔を見ると、本当に癒される。とはいえ、やはり長期間の介護は人の心を殺伐とさせるなぁ。
親を介護施設に入れた経験のある人は、みんな罪悪感を感じるだろう。それは当然のことだ。だが、やはり私も人間である。自分の人生を大切にしたい。
なので、罪悪感がありつつも、母を施設に入れることにした。今は罪悪感と安堵感、半々というところだろうか。
母が施設を気に入ってくれることを願いつつ、介護をしない選択をした自分をちょっととがめつつ、ささやかな安堵感とともに、今日という日が過ぎていく。
今後、母は施設にお任せするとして、残された父と共に、これからものんびり生活していきたい。
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