第153話父、ご機嫌

 今日も実家に来て、父と夕食をとる。父、今日はテレビに文句言わずに、ひたすら、武勇伝。「俺は、上司にはたてついたが、弱いものイジメはしなかった」とのたまう。

 う~ん、上司にとって、父、めんどくさい部下だったろうなぁ。この人、ちょっとしつこいので、想像できる。やれやれ。

 確かに、うるさい人なので、イジメられはしないタイプだな。まぁ、イジめるタイプでもない。要はどちらかというと、仲間はずれか。それは、それで、ちょっと悲しいが。

 とある人と、イジメられる人についての話題になった。イジメられる人って、気が優しいのだろう。言われても言い返せない人。それはそれでかわいそうだが、どういう状況でも、やり返さないというのは、誉められたものではない。

 やはり人間、いざという時は、やり返さないと。

 私は全くイジメられなかったとは言わないが、たいてい、いやがらせされると、倍返ししていた。そうすると、嫌がらせしてる相手はめんどうになって、去っていく。

 人間、あまりにいい人だと損をすると思う。自分の中の毒を使うべき時に使うことも必要だ。言うべき時には、堂々と言い返そう。たとえそれで、嫌われてもいいではないか。

 嫌われる勇気、そんなものも時には、必要なのだな。父を見ていて、そう思う。

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