第28話やっほい!

 やっほい!自由だ。日曜まではっち―(母)がショートステイに行っているので、私は今日は自宅で独りでバリバリ仕事。はかどる、はかどる。なので、多少早く仕事を切り上げて、まったりタイム、う~ん、たまにはいいよね~。

 さっそく、やかんでお湯を沸かし、珈琲をいれる。仕事終わりの至福のひととき。そういえば、今日は金曜日、ウキウキである。

 タブレットで久しぶりにkindleで読書をしつつ、珈琲をこぷっと飲む。永井玲衣さんの「水中の哲学者たち」。これ、何回も読んでいるが飽きない。去年のエッセイで何回か紹介をしたことがある。

 永井さんは哲学者で、場所を設定して、人々を集め、「哲学対話」というものを開催している。

 ある命題について、みんなでじっくりと語りあう。「人間とはなにか?」「なぜ人は生きるのか?」「人間関係で疲れるのはなぜか?」、様々な命題、それを突き詰めて考える。

 でも、明確な答えはいつも出ない。答えを出すのが目的ではなく、みんなで対話するのが目的だ。

 あ~でもない、こ~でもないと論じ合う。それは楽しげだが、真剣な行為だ。

 対話することによって、人は共に生きているということを実感できるのだろう。

 「水中の哲学者たち」を読むと、人々と共に、考えている自分がいる。これは本当にゆっくりと読むべき本だ。日が暮れようとしている空を眺めつつ、珈琲を飲んで、本の内容を思索する。ああ、至福の時よ。

 仕事終わりの疲れた体を、本からのイメージが癒してくれる。そう、対話とは癒しでもある。

 タブレットから、ちょっと目をそらし、宙を見つめる。すると、ほっこり幸せな気分にひたるのであった。

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