第2話

俺は電話しようとしたが、その赤ん坊のこれからを思うと出来なくなってしまった。


「・・・っどうして、ここに居るんだ」


「ゆ、優君、久しぶりだね」


「・・・」

わざわざ赤ん坊を見せに来たのか??わざわざ??


「優くん、見て可愛いでしょ。私の子どもなんだよ」


「うん、そうだね。じゃあ俺、家の中に入るから。」


「待って、」


「いや、俺はもう見れて嬉しいよ。これからはお幸せに子どもと」


「・・・泊めて」


「はぁー??いや、お前子ども居るし、父親だって」


「・・・あの人は駄目」


いやいや、俺が駄目なんだけど、俺を捨てたのお前だろう。


「・・・お願い、優君」


「嫌に決まってるだろう!!」


「・・・お願いします。お願いします」

子どもをぎゅーと抱きしめて頼み込んでくる。


どうしよう、下手に閉めると春が赤ん坊を落とすかも知れないし、


だからと家に入れたくない。


「待って、わかったじゃあ。家に入るのはあと、一旦外に出てから話を聞くから」


「・・・わかった。ありがとう」

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