【GM用】シナリオ
《オープニングフェイズ》
・シーン1:圧倒 PC①
あなたが目を覚ますとそこは病院だった。ベッドサイドには霧谷雄吾がいた。
霧谷「目が覚めましたかPC①さん。あなた達は「円卓の欠片」から現れたレネゲイドビーイング、アーサー王を名乗る存在に1撃で吹き飛ばされました。」
霧谷「UGN日本支部の屋上には、万が一に備えて安全装置があったので皆さんは槍のロンギヌスさんも含めて全員無事ですが、重傷を負ったためこちらの病院で手当てをさせていただきました。」
霧谷「今は皆さんの浸食率も正常に戻り、リザレクトも働いているようですね。」
霧谷「アーサー王を名乗るレネゲイドビーイングは、現在東京を飛び立ち行方知れずです。遺物「円卓の欠片」は強力なレネゲイドを発していますが、支部で保管をしています。」
霧谷「既に保有しているレネゲイドが暴走状態にあるため、支部でもどう扱ってよいのか決めかねていますが、PC①さんなら適切な対処が取れるかもしれません。」
日本支部に向かえば「円卓の欠片」を調べることができ、アールラボに向かえば、あなたのこれまでの研究データを照会することができるだろう。
あなたが病室を出たところで、シーンをカットする。
・シーン2:相棒 PC②
あなたは病院を退院すると川辺で槍と話していた。
ロンギヌス「主よ、すまない。私が「円卓の欠片」に触れたばかりに、こんな事態になってしまった。」
ロンギヌス「王が復活した以上、レネゲイドの世界はこのままでは済まない。王は未だ目覚めぬEXレネゲイドを次々と進化させていくだろう。そうなれば主たちの日常は破壊されてしまう。」
ロンギヌス「あれは、「円卓」は、私たちの時代にレネゲイドの力を貯めこんだパンドラの箱。「円卓」は私たちが触れることで封印が解除される仕組みだった。」
ロンギヌス「今回の欠片は、トリスタン卿、ランスロット卿、そして私パーシヴァルが手を触れることで、奇跡的に解放されてしまった。」
ロンギヌス「偶然私たち3席が担当する部分が今回の「円卓の欠片」だった。ランスロットによってとはいえ、迂闊にも手を触れてしまったことが恨めしい。」
ロンギヌス「私の責任だ。」
ロンギヌスを励ましあなたが行動を起こすところで、シーンをカットする。
・シーン3:不可解 PC③
あなたはアールラボでPC①について調べていた。
PC①はこれまでEXレネゲイドからレネゲイドウイルスを取り除く研究を行っていた。あなたにはその研究の意味が分からない。この世の物質の何よりも優れたものであるレネゲイドをわざわざ除く意味が分からない。オーヴァードを非オーヴァ―ドにする研究に意味を見出せないのだ。なぜ無駄な努力を、この人間は繰り返すのだろう。逆に興味がわいてきたとあなたは思うかもしれない。あなたの背後から千城寺薫が現れる。
千城寺「なにをやってるの?あなた?」
千城寺「PC①を調べているのね。」
千城寺「この子、いい線行ってるのよね。」
千城寺「成果が出ていないから評価されていないけど、この子の研究を私は認めているのよ。」
千城寺「こんな究極の状況なら、もしかしたらこの子の研究が実るかもしれないわよ。」
千城寺薫からよくわからないほのめかしを受けたところで、シーンをカットする。
《ミドルフェイズ》
・シーン4:UGN日本支部 PC②
PC①、PC③も登場可。
「円卓の欠片」は強大なエネルギーを放っている。強力な保護ケースに入れられた欠片は黒いオーラを放っていた。
霧谷「これが発見された「円卓の欠片」です。まがまがしいオーラを放っています。」
霧谷「アーサー王を名乗るレネゲイドビーイングは既にこの欠片からは独立していると考えられています。今からこの欠片を破壊してもアーサー王自身には、何の影響も与えられないでしょう。」
ロンギヌス「終わりだ。……王は全てをレネゲイドで飲み込むつもりだ。その王を縛るものがもうないだなんて。」
現状を霧谷らと共に話し合い、シーンをカットする。
・シーン5:アールラボ研究室 PC①
PC②、PC③も登場可。
千城寺薫がPC①の研究資料を整理している。
千城寺「はい、これ。あなたの研究資料の内、重要そうなところに、マーカーを入れておいたわよ。班長の活躍に感謝しなさい。」
千城寺「あきらめないんでしょ。アーサー王が世界をレネゲイドに沈める前に、「円卓の欠片」からレネゲイドウイルスを取り除くんだよね。」
千城寺「さぁ、みんなで頑張っていきましょう。」
千城寺薫と資料を整理し始めたところで、シーンをカットする。
《情報収集フェイズ》
・a-1アーサー・ペンドラゴンについて
情報UGN:8
過去の英雄アーサー王の似姿。「円卓の欠片」に貯め込まれていたレネゲイドが暴走し、作り上げられた理想の王の姿。彼は、王の同類であるEXレネゲイドを率いて、現在の世界に戦いを挑もうとしている。具体的には、EXレネゲイドを進化させ、レネゲイドビーイングにしたうえで、既存の生物全てから生存圏を獲得しようとしているのだ。その過程でほとんどのEXレネゲイドはジャーム化するだろう。彼の千年王国には、ジャームしか招かれない。
・a-2アーサー王の能力について
知識レネゲイド:9(a-1、b-1公開後)
アーサー王は物語の中の王であり、そのためページを遡るように力を回復する反復性を持っている。平たく言えば不死身なのである。1度倒されたとしても、「円卓の欠片」から健在の頃の記録をダウンロードすることによって再び何事もなかったかのように立ち直ることができる。
・a-3アーサー王の滅ぼし方
知識レネゲイド:12
アーサー王は不滅である。物語の中の王である彼を滅ぼす方法はない。しかし、レネゲイドとしての彼を無力化することは可能である。物語の源泉になっている遺物、「円卓の欠片」がレネゲイドとかかわりがなくなれば、アーサー王もレネゲイドの世界の住人ではなくなる。川から水を取り除けば、湖からも水がなくなるのと同じ原理である。元を絶ってしまえば、アーサー王はレネゲイドとして存在できなくなる。この原理は「フェイルノート」、「アロンダイト」、「ロンギヌス」にも同様である。
・a-4「ロンギヌス」の救い方
知識レネゲイド:12
「円卓の欠片」が無力化されてしまえば、「ロンギヌス」もレネゲイドウイルスとは関係のない、ただの武器に戻ってしまう。2度とPC②に話しかけることもなくなるだろう。もしもPC②がそれを望まない場合、槍の出典を「円卓の欠片」から自身へと切り替える方法がある。具体的には「ロンギヌス」に対してロイスを持つ者が、「ロンギヌス」を常備化した状態で、ジェネシフトを行う。それによって武器を所有者の体の一部と意味づけるのである。この方法であれば、源泉である「円卓の欠片」からのバックアップがなくなったのちも「ロンギヌス」はレネゲイドとして活動ができるはずである。
・b-1「円卓の欠片」についてⅢ
知識レネゲイド:8
アーサー王が出現するきっかけとなった遺物。現在は大部分のレネゲイドを放出済みであり、力を失っている。破壊することは簡単だが、それが問題の解決にはつながらない(どんなに細かくともレネゲイドとアーサー王伝説を繋ぐ、楔としての役割を果たしてしまう)。アーサー王伝説の核となる存在であることに変わりはないので、この遺物がEXレネゲイドなのか、如何によってアーサー王の能力に差が生まれると考えられる。
・c-1PC①の研究について
情報UGN:8
PC①がEXレネゲイドからレネゲイドウイルスを除こうと努力した研究。物質から抜き出したレネゲイドは空気中に霧散してしまう欠点はあるものの、その理論は実用化間近である。研究を完成させるにはスピードが重要である。[調達:11][知識レネゲイド:11]、[運転四輪:11]、[RC:11]を連続で成功させる必要がある。この判定は複数人で分担することができるが、挑戦する全員は登場している必要がある。
・c-2研究の完成
調達:11&知識レネゲイド:11&運転四輪:11&RC:11
EXレネゲイドからレネゲイドを取り除く方法は、30以上50以下のダメージをEXレネゲイドに与えることである。ダメージが高すぎれば、遺物が破壊されてしまうし、低すぎれば影響を与えられない。ダメージを与えた直後にEXレネゲイドから派生したレネゲイドを全て制圧できればレネゲイドの除去は成功する。今回のケースに当てはめれば、アーサー王の前で「円卓の欠片」にダメージを与え、その直後にアーサー王を戦闘不能にすれば、「円卓の欠片」からレネゲイドを取り除くことができるのだ。
・d-1「フェイルノート」と「アロンダイト」の行方
情報裏社会:8
アーサー王とともに存在している。
・e-1アーサー王の行方
情報裏社会:8
アーサー王は現在東京タワーにいる。→トリガーシーンへ
トリガーシーン
・シーン7:1つの研究、わずかな希望 PC③
全PC登場。
舞台はUGN日本支部。霧谷執務室。霧谷に「円卓の欠片」の持ち出し許可を貰うシーン。
霧谷「PC①さんの研究が1つの完成に至ったと聞きました。」
霧谷「UGN日本支部を預かるものとして、今回の事態を見過ごすことはできません。PC①さん、PC②さん、PC③さんあなたたちに未来を託したい。」
霧谷「作戦の……いえ、実験の成功を祈っていますよ。」
霧谷はあなたたちに「円卓の欠片」入りのケースを渡す。シーンをカットする。
・シーン8:あと1度だけ奇跡は起こる PC②
全PC登場。
舞台は東京タワー。展望室に座すアーサー王の姿があった。その赤い塔の下には新たな体に憑依しなおしたトリスタンとランスロット。
トリスタン「悲しい。再び相まみえてしまうとは。今度の出会いこそ、あなたたちにとっての最期となってしまうでしょう。」
ランスロット「王の御前だ。これ以上前進することは許さない。」
ロンギヌス「主よ。ここは私たちが踏ん張るところです。PC①の奮戦に応えるためにも、彼らによって道が閉ざされることを許してはならない!」
トリスタン「掻き鳴らせ、フェイルノート!」
ランスロット「アロンダイト・オーバーロード!」
トリスタンおよびランスロットと戦闘になる。PC達を1つのエンゲージにおき、トリスタン、ランスロットと三角形の位置関係で配置する。トリスタンとランスロットはお互いに10mの間隔を開けて立ち、それぞれからPC達までの距離は10mある。
勝利条件はエネミーの全滅であり、エネミーとはトリスタンとランスロットを指す。
シーンをカットする。
《クライマックスフェイズ》
・シーン9:竜王ペンドラゴン PC①
全PC登場。
場所は変わらず東京タワー。
時刻は夜、東京タワーのランプが寒々と照らし出されている。アーサー王は軽い鎧の音を響かせて頭上より着地する。
アーサー「騎士トリスタン、騎士ランスロットとの戦いお見事でした。あなたたちが新たな世界に進めないことは誠に残念だが、多少は骨のある者がこの時代にもいたと記憶しておきましょう。」
アーサー「さて、PC①といいましたね。あなたは治す者だと聞きました。私はそれを頭ごなしには否定しない。ここでやってみなさい。あなたの力でそれが可能だと示してみなさい。」
アーサー「どのみち戦うのです。ですが、あなたの矜持を私は見ておきたい。奇跡を起こす者かどうかを。さあ、あなたの技をそこにある遺物にぶつけるのです。」
成功時
アーサー「素晴らしい。あなたはあと少しで奇跡を起こせる者だ。では、やってみるがいい。あなたの奇跡と私の奇跡。上回るのがどちらか試してみよう。聖剣抜刀、エクスカリバー!」
失敗時
アーサー「今のは危なかったね。私がカバーしていなければ、「円卓の欠片」は粉々だっただろう。あとは戦いの中で試してみるといい。もっとも残された時間はあまり多くはないがね。聖剣抜刀、エクスカリバー!」
戦闘開始。
衝動判定を行う。
衝動判定
意思:9
衝動判定に失敗した場合、バッドステータースの暴走を得る。その後全PCは浸食率を2D10上昇させる。
戦闘配置はPCをひとまとまりにし、そこから10m離れた地点にアーサー・ペンドラゴンをおく。
勝利条件はエネミーの全滅であり、エネミーとはアーサー・ペンドラゴンを指す。
アーサー王はEロイス不滅の妄執を持っておりHP1で復活する。「円卓の欠片」に30以上50以下のダメージを与えた場合、これが解除される。
アーサー「十三拘束解放(シール・サーティーン)――円卓議決開始(ディシジョン・スタート)!」
攻撃時
アーサー「トリスタン卿、承認。ランスロット卿、承認。アーサー、承認。エクスカリバー!」
得意領域時
アーサー「私のやり方でやらせてもらおう。」
グラビティ―ガード時
アーサー「私の護りはパーシヴァルにも比肩する。」
被弾時
アーサー「この時代ではその程度が限界か?」
加速する刻・加速する時Ⅱ時
アーサー「連撃を加えさせてもらう。」
時間凍結時
アーサー「畳みかける!」
縮地時
アーサー「既にここは私の空間だ。逃げられはしないよ。」
ワームホール・復讐の領域時
アーサー「私には軽すぎる。お返しするよ。」
不滅の妄執・蘇生復活時(不滅の妄執が有効の場合はそちらを優先する。)
アーサー「私は伝説に語られたモノ。物語の住人だ。何度でも蘇るとも。」
黒星粉砕時
アーサー「全てを無へと還し、私の手で王国を紡ぐ。」
敗北時
「見事だ。新たな奇跡に祝福を……」
バックトラックを行い、シーンをカットする。
《エンディングフェイズ》
・シーン10:旅の終わり PC①
PC全員登場。
「円卓の欠片」はただの木片に戻り、あなたたちは勝利した。
アーサー「これが浄化か。レネゲイドの申し子たる私からレネゲイドを取れば、何も残らない。あなたたちの勝ちだ。今の時代の者が今の時代を護る。そうして歴史は紡がれていく。」
アーサー「どうだ。パーシヴァルよ、一緒に来るか。……そうか、ならば何も言うまい。その少年についていてあげなさい。」(PC②がジェネシフトをしていなかった場合はここで「ロンギヌス」も退場となる。)
朝日が昇り、その中にアーサー王の姿は溶けて行った。後には激戦の跡のみが残っていた。
シーンをカットする。
・シーン11:レネゲイドビーイング PC③
あなたの疑問はこの旅を通じて解決できただろうか。人がレネゲイドを拒絶する意味。それは今を生きるために必要だからではないだろうか。過去からの遺物レネゲイドその存在は善か悪か。それだけで語れないものかもしれないが、あなたは前に進むしかない。
UGNに残るも、新たな旅に出かけるも自由である。今後の方針を決定してセッションを終了する。
・シーン12:EXレネゲイド PC②
かくしてあなたの日常は戻った。少し変化があったとすれば「ロンギヌス」があなたの手に馴染んだことであろうか。あなたの元にはUGNから正職員にならないかと、スカウトも届いている。相棒(ロンギヌス)とじっくり相談して、セッションを終了する。
・シーン13:そしてその先へ PC①
あなたの研究は達成された。それがどんなに特殊な状況で達成した奇跡であったとしても、起きたことは事実なのである。あなたは新しい方針を定めなければならない。研究を応用しジャームを相手にした危険な仕事に就くのか、全く別な目標を立ててもよい。決定し、セッションを終了する。
獲得経験点:シナリオをクリアした…20点
以上
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます