階級《クラス》・奴隷《スレイヴ》2
しをおう
序
預言は至るところに存在し、内容もほぼ一緒だ。当たり前に冥界にもその預言は伝わっている。
【混沌の世に一人の男現れり。永き偽りは打ち砕かれ、真実が明るみになる。だがそれは二つの者を産み出す。即ち喜ぶ者と嘆く者である】
【二つを産み出すが一つに戻すのも男である。だが、期待してはならぬ。男にとって全て己の為なのだから】
【嘆く者の慟哭も、喜ぶ者の歓喜も、その男には届かず。男は神ではないし、聖者でもない、ただの人間なのだから】
【一つになって新たな混沌が起ころうが、男には興味のない事。必要ならば殺すし、奪うのも男。逆に与えるのも男である】
【喜ぶ者よ、それは新たな時ではない。始まりの時に戻ったと知れ。よってその道は艱難辛苦の道である。しかし受け入れよ。少なくともそれは偽りの道ではないのだから】
【嘆く者よ、諦めよ。その男にとって、それは些末な事に過ぎぬのだから。よってそなた等の思いは決して届かず。今まで延命できた事に寧ろ感謝せよ】
天界のユピテエル家にはこの他に【男は血筋の女が願った者である。混沌を収めて新たな混沌を喚ぶ者である】が追加されている。
ならば冥界にもあるのだろうか?
深淵に程近い、死人と死神と罪人だけの世界、冥界にも、天界のような救いがあるようでないような、他の預言があるのだろうか?
その答えはすぐに解る事になる……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます