第7話

何の不安も 無けりゃ良い

どんな引け目も 無けりゃ良い

あんな風に なるのか

こんな風に なるのか

こじきが居るぞ 見ない方が良い


誰かがぬかした 私が寄生虫だと

ありがとう みなさん またひとつ勉強しました


夜より暗い 昼間の街角

誰か生き方 教えておくれ


弱い順番に 死んでいくのなら

そろそろ次あたり 俺の番だろう?

そうだろ?


どうせなら100%引用で埋め尽くせ。

お前に物を考えるなんて、出来ないんだからさ。

ところで寄生と云えば、ツチアケビというのがある。

それに限らず、一部のラン等の腐生植物は、きのこの菌糸に寄生している。

ご存知の様に、きのこは木や植物に寄生している。

件のツチアケビは、ナラタケ菌に寄生する。

ナラタケはとても美味しいきのこだ。

ツチアケビが出る場所でナラタケを見たことがない。

子実体を形成する為の水分を奪われてるんだろうか?

しかし、ツチアケビが存在するなら、ナラタケ菌はそこにある。

僕の出番だ。

寄生のスペシャリスト。

僕がツチアケビに寄生して、水分を奪うんだ。

けれど、それでナラタケが出る事はないだろう。

また、このナラタケも、繁殖すると際限なく周囲に伝搬して木を枯らす。

悪質なウィルスみたいなもんだ。

そんなあれこれ別にして、僕はいつだって列のいちばん後ろに並んで、寄生主を探してる。

どこからがそうなのかはわからないけど、自分が必要ないことだけは、わかる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る