第104話 ユルユルなんです

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勝負が終わりました。

勝敗:引き分け(レベル差100以上)

状態:無傷(疲労度3)

リザルト:経験値168 技術値156

防御力2 精神力3 魔力2 知力2

Jガチャチケット[C]1枚

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 引き分けもあるんだな。

 と言う事はコーチャンにも同じダメージを与えたって事か…


 爺ちゃんの方が負けてもリザルトが多いのは、レベル差のせいかな?

 それとも負傷するリスクとか、身体を使う勝負の方が報酬が良いって事なのか…


 同じ内容の勝負で比較しないとわからないか。


 念のためステータスを確認しておく。

 …スキルが増えてる。


 ピロン!

 アプリの通知が鳴った。


 コーチャンからだ。


 何だろ?


『永久保存版にしとくね(*´∀`)♪』


 ……何を?


 ピロン!

 ……添付ファイル?


『おやすみなさい、お兄ちゃん』


 消せよ!

 てか録音してたの!?


      『消して下さいm(_ _)m』


『いや(-∀-)』


      『もうお兄ちゃんと呼ばない』


『ごめんね。

 でも、この音声があれば

 平気だお』


      『申し訳ありませんが、

       明日はギルドに

       行く事が出来ません。』


『ごめん、消すから許して!』


『お兄ちゃんが悪かったから~』


『既読スルー止めて!』


『ごめんなさいm(_ _)m』


      『もう揶揄わないなら』


『トキ大好き(人´ з`*)♪』


 …………………


 ピロン!

『ホントの事だから

 既読スルーに負けないよ!』



 ………サワラーギルドに本性をばらしてやろうかな?


 誰も信じないか……ガクリ。


 風呂入って寝よ。



───────── ─── ── ─



 新しい朝が来た。

 希望があるかは人それぞれ。


 顔を洗って目を覚ます。


 さて今日も鍛練だ。

 先にガチャを回しておく。


 あ、そう言えば忘れていたけど、新しいスキルをゲットしてたんだった。


 ガチャミ出番だぞ。

 いつものルーティンで起こす。


『もう~レディの起こし方じゃないよ~』


 誰がレディだよ。

 ほら、早く説明してくれ。


大物食いジャイアントキリング】勝負でレベルが100以上高い存在に何度も挑むと出る、稀に勝敗を覆す事がある、極めれば勝率が上がる。


 これは良いスキルじゃないか?


『このスキルは~勝負師とセットで使うと効果が上がるよ~』


 それじゃあ、暫くは勝負師のままが良いな。


 刀術士も極めたいけど、リザルトが貰える勝負師ははずせない。

 サブジョブが解放されたら他の職業をセット出来るから、★3の勝負師を極めるのは一石二鳥だな。


 ガチャミを二次元に戻して道場へ行く。


 ストレッチ、走り込み、素振りをする。


 その後は爺ちゃんに勝負で負けてリザルトをゲットした。

 まぁ、そんな都合よく勝敗を覆して勝てる訳がないよね。


 レベルアップはなかった。


 シャワーを浴びて制服に着替えると、ダイニングキッチンに行く。

 父さんと姉ちゃんは既に食べていた。


「おはよう」


「「「おはよう」」」


 今朝のメニューは洋食だね。


 クロックムッシュはチーズがたっぷりで、豆乳を使ったベシャメルソースが母さん流だ。


 サラダはチキンサラダだ。

 俺は胡麻ドレッシングだけど、姉ちゃんはオーロラソースだし、父さんはマヨネーズだ。


 ヨーグルトは迷宮ハニービーの蜂蜜と、迷宮産ドライフルーツを混ぜた贅沢仕様だ。


 母さんがカフェオレを入れてくれたら、いただきます。


 父さんが食べ終わった頃に、爺ちゃんがやって来た。


 爺ちゃんも同じメニューで、飲み物はコーヒー抜きのカフェオレ、つまりホットミルクだ。

 迷宮ホルスタインのミルクは砂糖を入れなくても、ほんのり甘いんだよね。


 爺ちゃんは洋食が嫌いって訳じゃなくて、夜は胃もたれするからって別メニューな事が多い。


 姉ちゃんも食べ終えて、さっさと出て行く。

 今日は弓道部で朝練をするんだってさ。


 俺は部活は引退してる、と言っても元々朝練なんてなかったけど。


 学校側に何でも良いから部に入らないと駄目って言われたから、幽霊部員OKのユルユルな部に入ったんだよね。


 ちなみにボードゲーム部で、引退したとか言いながらいつでも参加OKだよ。


 それにボードゲームと言いながら、ジェンガやルービックキューブもやってるくらい分類もユルユルだけど。


 高校は部活はせずに探索者活動…探活をするつもりだ。


 さてと、今日は自転車じゃないから、早目に家を出ないといけない。


「ご馳走さまでした」


「お粗末様でした」


 歯磨きをして部屋に戻ると、ガチャミに朝食を与える。

 ガチャで出たコカトリス卵のフレンチトーストだ。


 ガチャミにやるのは勿体無いが他に食べ物がなかったからな。

 マジックキャンディはシエル用だからやれない。


 カバンの準備は昨日の内に済ませていたが、少し悩んだが木刀もケースに入れて持って行く事にする。


 ガチャミを二次元にして部屋を出る。


「いってきます」


「いってらっしゃい」


 洗い物をしている母さんに声をかけて玄関へ向かう。

 スニーカーの紐をギュッと締めると外へ出て走り出す。


 斜め掛けしたカバンが揺れるし、木刀のケースも邪魔だな。

 あ~マジックバッグを持ってるのに使えないのが辛い。


 早目にガチャアイテムの使用許可が欲しいよ。

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