第12話検証
最上さんとダンジョン攻略と魔法についてを教えてもらってから三日が経過した。
「魔法を戦闘に組み込んでしばらく経ったけど、魔法は自由度が高すぎて、半分何でもありだな」
魔法はあの時使った【ファイア】以外にも水を操る【ウォーター】、相手に木の欠片をぶつける【ウッドボム】、風で出来た刃を相手に飛ばす【ウィンドカット】の四つを習得出来た。
最後の基礎元素と言われる地属性の魔法は今のところ、習得はしたが、範囲は広いが、相手にダメージを与えられなくて、使い道に悩んでいる。
そして、今日はこの間のレベルアップの恩恵で使用できるようになったスキル効果の確認と、【魔法合成】で作られる魔法を確認しに、【手軽ダンジョン】にやってきていた。
このダンジョンを使わなくなってから、そんなに時間は経っていないはずなのに、何故か、凄く懐かしく感じる。
「スライム……昔はこいつを数体倒すのにも苦戦をしてたっけなぁ」
昔を思い出すように、【手軽ダンジョン】を歩く……こういうゴツゴツした場所はなんだか、本当のダンジョンなきがして、いい気持がする。
「っと、感傷に浸っている場合じゃなかったな」
お楽しみは最後に取っておくとして、最初に【魔法合成】から始めることにした。
「こういう感じになっているのか」
昔ゲームでやったことあるような感覚があった。
例えば火属性の魔法に印をつけると、それに合う魔法を自動で選んでくれる……システムって何なんだろう?
「火属性には……水属性?」
ただ火属性が消えるだけになりそうだが……好奇心には抗えず、印をつけてしまった。
「……これって、どんな感じの魔法なんだろうか?」
『魔法合成によってスチームレベル一を獲得しました』
スチームって事は、水蒸気関連のはずだけど……もしかして、水爆を起こせたり!
「それができるなら、他の魔法はいらない気がするけど……【スチーム】!」
ポン!
俺の掌から出たのは、少し暖かい空気だった。
「確かに【スチーム】だけどさ!何か他には無かったのかよ!」
つい大声を出してしまった……良かった、周りには人は居ないようだ。
「……他の魔法も試すか」
「はぁはぁ、やっぱ基礎元素だけじゃ、作るのに限界があるか」
しかし、作ってきた魔法の中で当たりと言えそうなのは一個位だった。
あとの魔法は植物を成長させたり、相手に水をつけながら風で切ったりとそれほど実用性はなかった……だが、こいつは違った。まだレベルが低いため、ダメージは低く、少し流れを作るだけだが【デブリスフラァド】意味、土石流と言うことは、いつかは、相手を生き埋めにできるようになるかもしれない。
「魔法の検証もこの辺りにして、使用制限の一部が解除された、スキルの方を見てみるか」
神影
スキル一:自分の影を操る。
スキル二:自分以外(味方限定)の影を操る。
これだけ?自分の影を操る事は、汎用性が高くて、使い心地が高かったが、自分以外に使えるのは嬉しいが、それが味方限定なのは、どうなんだろうか?
「というか、今まで相手の足に影を伸ばしていたが、あれ、自分の影を伸ばしていたんだ」
確かに、ドッペルを使っている時は、俺からではなく、ドッペルから影が伸びていたっけ。
「う~ん、このスキルの検証はしなくてもわかるし、魔法の種類を増やす方向でレベリングするか!」
検証の終えた俺は、【手軽ダンジョン】の深層目指して、階段を降りていった。
【手軽ダンジョン】60層
ここは、星二ダンジョンの簡単な部類と同じ難易度をしており、そこら中にゴブリンの群れを確認できるようになってきた。
「ここに降りてくるまででにいろんな魔法を検証してきたけど……結構いろんな魔法を獲得できたな」
氷を飛ばす【アイス】、相手に雷を落とす【エレクトロニック】俺が光る【ライトニング】、そして、基礎元素と合成して出来た魔法もある。
「まぁ、そのへんは敵と戦いながら、検証するか」
近くに居たゴブリンの群れ(六匹ほど)に向けて、合成した魔法を放つ。
「【アイスクリエイト】」
俺の手元からゴブリンに向けて、氷が作られていく……流石に魔法のレベルが低いからか、相手の足を凍らせるだけで終わっている。
「だが、魔法のレベルが上った時、どんな火力が出るんだろうか」
魔法のレベルを上げるには、魔法を使いまくるしか無い。
「幸いここには大量の”経験値”が居るし、魔物狩りと行くか!」
魔物狩りを初めて20分、俺の周りにゴブリンが近づかなくなった。
目線を上げればどこかに逃げていくゴブリン……?普通のゴブリンではない、何者かの気配を感じる。
「ゴブリンロード!」
周りには、先程逃げていったゴブリンたちが、群がっている……と思っていたら、ゴブリンの頭が潰されていった……というか、あのゴブリンロード、何か怒ってないか?もしかして『敵を前にしてにげるなぁ!」とかだったりするのかなぁ?
「まぁ、そんなの興味無いけど……俺の”経験値”にはなってもらおうかな?」
俺がそう言い終わると、ゴブリンロードが咆哮を上げた……それを俺たちは、開始の合図と思い、ゴブリンロード目掛け、突っ込んでいった。
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