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目次
湾岸経由
ラジオに名前を呼ばれたから
少しリアを滑らせた。
高速の継ぎ目に
ガタンと心臓が跳ね上がった。
ねぇ
湾岸経由で向かおうよ
自由な南へ。
街灯が濡れてる
工場が吐いてる
橋が揺れてる
船が死んでる
赤錆に溺れた島で
サイロが泣いてる
赤い水玉シャツの追放者と
背に乗るワタリドリ
海を見よう。海を見よう。海を見よう。
広がる大海を見て
損はないはずだから。
ラジオが名前を叫んだから
大きくアクセルを踏み込んだ。
積んだ花の香りが忘れられなくて
新車の苦い匂いに身を沈めた。
ハイビームを浴びたから
つい、ついカッとなった。
前は排気ガスの道筋が
永遠に続いていくだけなんだ。
南へ行こう。
海を見よう。ねぇ。見に行こう。
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