将来を眺めて

@raikumain

第1話 平成10年の新聞

「あの山には、誰かがいる。」

平成10年、とある新聞記事に、こんな題名が載った。


 あの山とは、岩手県にある教京山(きょうきょうやま)である。

教京山では、連日、火をたく音がしたり、木を伐採する音がしたり、何かのエンジン音が聞こえてきたりもしたらしい。


 そこで、教京山のふもとにあった、京海村では、有力者たちの会議が行われた。

村長は言った。

「賢い猿たちの悪戯ではないか。」と。

村一番の企業の、社長は言った。

「なぜ猿たちが、エンジン音を鳴らすのか。どこか遠くからやってきた人たちのしたことではないか。」と。


この会議には、残り3人の参加者がいたが、結局、誰もが納得するような意見は出なかった。

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