人知を超えた水

@raikumain

第1話 この世の何か

この世界には、木の姿をした何か、空気の姿をした何か、雲の姿をした何かなどがいる。

中には、水の姿をした何かなどもいる。

この何か達は、神様でもなく、生き物でもない。人知を超えた「何か」としか言いようがないのだ。

この「何か」のうちの、水の「何か」は、名前を「翡翠宿禰(ヒスイスクネ)」と言った。

この何かは、古来より、北海道のどこかの湖で、その地の平安を保ってきた。

だが、今、彼は、人間によって埋め立てられようとしていた。

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