子供の頃のイタズラの話

 中学生の頃の実話。

 放課後、友人2人と学校近くの役場の建物裏でアイスを食べていた時のこと。


 突然、役場のサイレンが鳴り出し、警備員のじいさんが走って来た。


「こらあ! そこで何してる?!」

「うわっ、逃げろ!」


 怒鳴られて、本能的に逃げる中学生3人組。

 じいさんは体力有り余る子供たちには追い付けず、僕たちは逃げ切った。


「なんで怒ってたんだろう?」

「なんでだろうね?」

「あ、もしかして、アイスの袋をあそこに捨てたからかも」


 3人の中で、最初にアイスを食べ終えたT君は、アイスの空き袋を役場の建物の隙間に押し込んでいた。

 サイレンは、T君がアイスの袋を押し込んだ直後に鳴り出した。

 だからT君は、じいさんが僕たちを監視カメラで見張っていて、ゴミを捨てた現行犯で捕まえようとしたのかも? と推測したらしい。


「そうか~、ゴミ捨てたから怒ってたのか」

「次からはやめとこう」


 そんな会話をして、以降はゴミを持ち帰るようになったT君。

 それはまあ教訓になったということで、いいとして。


 ごめんな、あのサイレン、君のせいじゃないんだ。


 役場の建物の裏、僕たちがアイスを食べながら喋ってた場所には、サイレンのスイッチがあったのさ。

 上下に動くレバーみたいな物があって、何これ~? って思った僕がそれを動かしたら、サイレンが鳴ったんだ。

 T君のゴミ不法投棄の瞬間に鳴ったのは、偶然。

 サイレンを鳴らしたのは、僕だ。

 じいさんは、僕たちがサイレンをイタズラで鳴らしたと思って怒ってたんだよ。


 なんでサイレンのスイッチを動かしたのか?

 いわゆる、若さ故の過ちというやつだな。

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