使命


 星々の輝きに寄り添い、夜空の高きをゆく詩女神の妙なる歌声が、孤独のうちにあるわたしの心にそっとふれる時、その詩の一欠片ひとかけらが、わたしの胸の創造をかき立てる。


 天の御座、月の明かりによって鮮明に浮かび上がった大地、清く澄み渡った夜の風が、わたしの詩の一欠片に普遍の美を囁く。


 いつか、このわたしの胸のうちにあたたかな日が昇る頃、その詩は輝かしい生命を得て、このの賛美を歌うのだろう。


 詩女神の授けた詩の一片、大地と風の囁く美の尊さを、わたしは尽きぬ情熱と誠実さをもって歌うのだろう。


 わたしは、この夜を永遠のものとして歌わねばならぬ。おそらく、わたしという詩人は、夜明けを歌うために生まれたのではない。


 東の空から昇る暁の美しさ、あの遍く照らす光の尊さを歌うために、わたしの詩はあるわけではなかったのだ。


 この夜、この一瞬、時が止まればよいとさえ思える、心地良い完成の静寂、まだ朝日の昇らぬ欠けた世界、わたしはこの時を歌うためだけに、たった一つの詩に生きるために、此処へ生まれた詩人なのだ。

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