イメージとタコスの話
お前、4ヶ月振りに戻ってきておいて、いきなり食い物の話かよ。
と言われればまあ、全く持ってその通りで図星という名の隕石が衝突して
頭が焦げてしまうところなんだけど聞いてほしいから話すわ。
同居人がトルティーヤ、トウモロコシの粉で作ったピザのようなものを取り寄せた。
なので我々はタコスパーティをやろうという結論に至った。
タコスのタの字も知らないままに。
で、割と凝り性な所があるわけよ。今時成城石井とかカルディとか行けばさ、
インスタントでそういうの作れるのあるじゃん?
でもね、なんかそれに頼るのが負けって思ってしまうわけよ。
皆さんは良いですよ!オレは自分が作るものは調味料も買って作りたいんだよな。
トルティーヤから作ろうとしないだけほめてほしんだけど。
そのきったねえ部屋で何をこだわる原始人ってことだと思うんだけど
俺も思ってるからね、ていうかあきらめてるから。
だから生まれて初めてグーグルでスパイス屋を検索したんだ。
で出てくるカレー屋の多いこと、ネパールやらインドやら。
俺はカレーが食いたいんじゃないの!スペェスが買ぇいてぇんだ!
何スクロールかしてやっとスパイス屋らしい所を見つけてそこに入ったんだ。
そこにあった。1万弱のチリパウダーが。高い。高いよ。え、こんな高いの?
そりゃかつてスパイスが原因で植民地とか奴隷とか戦争とか起きるわ。
とか脳裏にF1レースの如きスピードで駆け巡ってると、
店主らしき人が来て「分からないことがあったら何でも聞いてね。」と言った。
すかさず口が動いた。「タコスが作りたいです…」
安西先生、バスケがしたいですのテンポで聞いた。
だったらとすぐ台の方に案内され大きな袋詰めのスパイスをスルーし、
g単位で売る方向に切り替えてくれた。
粉を小瓶に入れるさまは、まるでブツを売買するようでスリリングに見えたが、
鼻に刺さってくる香辛料の香りが「奴らとは別物だぜ。」と語っている。
暑い日差しの中、刺激的なブツをぶら下げながら家に帰っていった。
帰ってタコスミートを作る。作り方はネットで調べたので書かない。
そしてサルサソースも作る。作り方はネットで調べたので書かない。
ワカモレも当然作る。作り方はネットで調べたので書かない。
てかワカモレって絶対思い浮かぶイメージと実際のワカモレでギャップが激しい。
何だよワカモレって。若鶏からなんか漏れてる、略してワカモレだろ?
メキシコの人ごめんなさい。すごくおいしかったです。
チリコンカンも作る。作り方はネットで調べたので書かない。
これも絶対思い浮かぶイメージと実際のチリコンカンでギャップが激しい。
地理根幹だもの。明らかに地形の用語だもの。
「ああ、もう地理根幹からダメになってますね。建替えないと。」
メキシコの人ごめんなさい。これもすごくおいしかったです。
で作って食卓に並べてトルティーヤに巻いて食っていくんだけどさ、
いや、トルティーヤも大概イメージと実際のトルティーヤでギャップあるな。
あれだな、どっかの方言っぽいな。
「あれをこっちにとるてぃーや(あれをこちらに持ってきてください)。」感?
こういうの多分逆もあるんだろうな。お米とかが、
「OH, coming! 」に聞こえたりすんだよきっと、何が来るんだよ。
まあもう美味かったからどうでも良いや。
とりあえず戻ってきたのでしばらくまた書きます。ほどほどによろしく。
スパイス屋にはまたいこう。
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