第9話 夏吉と隼太のそれから

それから、夏吉と隼太は、急速に仲が良くなりました。

一緒に山登りをしたり、一緒に田植えをしたりと。

時には、一緒の夢を見たりと。


ただ、その関係は、だんだんと風前の灯火となっていきました。

そして、隼太が中学生になっていた、いつかの日、その関係は途絶えました。

仲が悪くなっていた訳でもありません。

どちらかが姿をくらました訳でもありません。

ただただ、そういう運命だったと、私は思います。

でも、夏吉は、今も、飛騨の、あのお堂で、出会いにやってきてくれる誰かを待っています。

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