第12話 理事長は名探偵

 桂谷大学のキャンパスで、夜の暗闇に包まれた中、学生たちが静かに暮らしていた。ある晩、新潟刑事と武田刑事は偶然、学内の一室で総代候補の段田幸次郎の冷たい死体を発見する。現場にはハサミの片割れが残されていた。

 その時、暗闇のため身分が確認できず、事件は不可解なものとなった。暗闇といっても外が暗かったわけではない。新潟と武田が真犯人の放った魔法によって盲目になってしまった。


 理事長の桂谷卯吉は学内で知られるほどの推理の腕前を持っており、彼はこの事件に興味津々で取り組むことになった。最初の手がかりは、段田の死体の周りに散らばる謎めいたメモだった。それには大学内の不正や陰謀に関する暗示が隠されているようだった。


 新潟と武田はなぜその場にいたのか、段田はなぜ死んでしまったのか。桂谷卯吉は推理の旅に身を投じ、大学の裏に潜む秘密を解き明かしていく。友情と裏切り、真実と虚偽が絡み合う中、桂谷は徐々に事件の核心に迫っていく。


 やがて、段田の身分が明らかになり、暗闇が晴れる瞬間が訪れた。段田は秘密捜査官だったのだ。桂谷は学内の複雑な関係を解きほぐし、段田の死に至る経緯を解明することに成功する。

「真犯人は副理事長の大蒜だ」

 大蒜は腰痛の為、右京軍団を離れ一念発起した卯吉の下で働いていたが、資金繰りに困り危ない仕事を引き受けた。大蒜は射殺の非正規メンバーとして薬の取引を行っていた。それを段田は追っていた。

 推理小説の結末で、桂谷は新潟と武田の協力と勇気に感謝し、大学の平穏な日々が戻るのだった。

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