吾輩も、きっと女の子である

ヤッキムン

たぶん女の子

吾輩は猫である。

たぶん、きっと女の子である。

そう思ってる。


でも、鳥にもなりたい。



吾輩はパリで生まれた。


家でのお友だちは小学4年生。


あやめっち。


あやめっちは日本人。

パリに住んでる。


家では大阪弁をしゃべってる。

吾輩も、あやめっちの大阪弁を聞いてるうちに、大阪弁をわかるようになった。



あやめっちとセーヌ川の遊覧船によく乗る。


今日も

「マーリアっち!遊覧船に乗るでー」

って、あやめっちに言われた。


あ、マーリアっちは、うちの名前。

あやめっちのつけてくれた名前。

マーリアっちって呼ばれてる。


あやめっちは、わたしを抱くと、セーヌ川の遊覧船に乗った。


あ、吾輩って言ったり、うちって言ったり、わたしって言ったりして、すみませんね~。


わたしは女の子になりたいもんで...



あやめっちと遊覧船に乗って、パリの街をながめてた。


「マーリアっち!遊覧船から観るパリの街、きれいやな」

って、あやめっちは、いつも言ってる。


うちも

うんうんっ

て、うなずいてる。



遊覧船は、なぜか

ブクブクブクブク~

って、潜りはじめた。


「うわっ、マーリアっち!遊覧船、潜ってるで~」

って、あやめっちは、わたしに言う。


「ほんまやー」

って、わたしも思わず言ってもた。



しばらくして遊覧船は

ザブブブブ~ン

と海上に浮かんだ。


「あれ?海にいる?」

って、うちとあやめっちは顔を見合わせる。







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