2章:畜生の化身! ビーストプリンセス!
第6話 朝の日課
ジリリリリリ!
朝、5時。
けたたましいベルの音。
私はいつも通り起きて、目覚ましを止めた。
中学校が開始するのは、8時半。
で、遅刻判定は8時15分から。
つまり、まだ3時間くらいある。
でも
起きた私は、ベッドから抜け出しパジャマを脱いで、黒いジャージに着替えた。
そして、そのまま真っ直ぐ玄関に行って、外に走りに行った。
ロードワーク10キロ。
これが日課。
大体30分でそれをこなし、庭の鉄棒で軽く懸垂と腹筋をやった後、サンドバックを叩いて。
汗を掻いた私は、家に入ってシャワーを浴びた。
そして制服のセーラー服に着替えて、6時前で食卓につく。
「おはよう」
お母さんに挨拶をしながら。
お母さんはスーツを着て、仕事に行く準備をしていた。
裁判所に出勤するのかな。
「今日も遅いの?」
ご飯の準備はしてくれているから、いただきますを言ってから納豆のパックに手を掛けて、そう言う。
すると
「まあ、ちょっとややこしい裁判が入ってるからね」
お母さんは事務的な顔でそう言った。
私に興味がないからそうなんじゃなくて、あまり外に洩らしていいことじゃないから、感情が入らないように気をつけているのだ。
まぁ、色々あるみたい。
裁判だからね。
納豆を混ぜ終わり、みそ汁を啜っていると
「今晩、お父さん帰って来るみたいよ」
そう、言ってくれる。
少し嬉しそう。
私も嬉しい。
「飛騨の山の狒々を仕留めるって言ってたけど、勝てたんだね!」
「ええ、これで近隣の女性が安心して眠れるわ」
お母さんは誇らしげにそう言ってくれた。
私のお父さん、
そのせいでよく家を空けるんだ。
今まで仕留めたクリーチャーは30を超え、今まで潰した道場は100を超える。
最近は、危険なクリーチャーも減ったし、道場についても、門下生を迎え入れるときに素行調査をキッチリやるようになったので、お父さんの仕事も減って来たんだけど。
ゼロにはならないからね。
こういう感じで、家にお父さんがいないことも珍しくない。
生きていくだけなら、不動産収入とお母さんの給料でなんとかなるらしいんだけどね。
「じゃあ、行ってくるから。片付けと家の戸締りお願いね」
そう言い残し。
お母さんはリビングを出て行った。
「いってらっしゃい」
私はその背中に声を掛けた。
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