第8話竜連ひとみ

思えば入社以来35年間、営業畑を耕し、立派な記録を打ち立てた。


その功績が支店長と為り地区本部へと昇進し、本部長へと昇格、関西支社から支社長に連動して取締役に出世出来た事を思い出していた。


目の前に真面目だけが取り柄の台北勇二(たいぺいゆうじ)がブツ


痩せた背中が疎ましい。


日本の大手電機メーカーが台湾にっ身売りした切っ掛けで台北勇二がここへ来た。


彼は営業畑とは違い考え方や仕事に対する姿勢が新井田とは違っていた。


「竜連ひとみは事務女の37歳か・・・。」


台湾、所謂中華民国から就労ビザで入国していた経理部係長台北勇二(たいぺいゆうじ)は、考えあぐね、「きちっとした相手が有って結婚とか話しは無いのですかねえ新井田(あらいだ)部長?」


ビルドハウスの若返りを総務部長から委託された台北はそう言った後、デスクにひ

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