僕と彼女と魔法の学園

色野あにまる

プロローグ

 春の陽射しが暖かく降り注ぐ中、僕は新しい学園の門をくぐった。ここ、「聖フェルナンド学園」は、普通の学校とは一線を画している。なぜなら、ここでは魔法を学ぶことができるからだ。


 入学式の会場となった広場には、すでに多くの生徒たちが集まっていた。僕の胸には、期待と不安が入り混じった感情が渦巻いていた。父の影響で魔法に興味を持ち、この学園に入ることを決めたのだが、実際にここに来ると現実感が湧いてくる。


「やっぱり緊張するよなあ…」


 独り言を呟きながら、周囲を見渡していると、一人の少女が目に留まった。彼女は人混みの中でひときわ目立っていた。銀色の髪が風に揺れ、透き通るような青い瞳が印象的だった。彼女もまた、僕と同じように新入生の一人なのだろうか。


 その瞬間、彼女の瞳が僕の方を向いた。心臓が一瞬、止まりそうになる。


「こんにちは、新入生?」


 彼女の声は柔らかく、微笑みを浮かべながら近づいてきた。


「え、あ、はい。そうです。」


 突然話しかけられたことで、僕は慌てて返事をした。彼女はくすっと笑い、手を差し出した。


「私はアリス。君の名前は?」


「僕は翔太。神崎翔太です。」


 こうして、僕と彼女の出会いが始まった。アリスと共に過ごす日々は、波乱万丈で驚きに満ちていた。魔法の学園で繰り広げられる、僕たちの物語が今、動き出す。

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