スケベでクズの俺の元に悪魔がやって来た
あかせ
第1話 悪魔との契約
あの子、良いおっぱいしてるな~。制服の上からすごくアピールしてるぜ。下校中の電車内で、俺はバレないようにその子をチェックする。
俺は自称スケベでクズだ。幼稚園の頃、園内にいるほとんどの女の子のスカートをめくった事がある。それは“ちょっとしたイタズラ”で済まされたが、他にもあるぞ。
遅刻・カンニング・クラスメートの持ち物を盗む・教師などの年上に対する生意気な態度etc…。全て挙げるのはダルイから、このへんにさせてもらおう。
こんなクズの俺に未来はない。犯罪者の仲間入りするのも時間の問題かもな。
そんなある日の下校中。電車が来るまで、ホームにある椅子に座りながらスタイルが良い子を眺めていると…。
(今日もやってるよ)
頭の中に、少女の小馬鹿にした声が響く。…近くに誰もいないぞ、どうなってる?
(アンタにわかりやすく言うと、テレパシーで話しかけてるの)
だったら、俺も頭の中で会話するイメージをすれば良いな。集中するために俯いて寝たふりをするとしよう。
(テレパシーだと? お前は何者だ? )
(アタシは悪魔のレナ。アンタのクズさに惚れて声をかけたの)
(クズに惚れる? さすが悪魔だ、意味が分からん)
(悪魔は人間の欲とか煩悩が大好きなの♡ アンタは高2のくせに大人顔負けのクズだから、アタシの気を引いたのよ)
悪魔のお墨付きをもらえるとは。ある意味、自慢しても良いんじゃないか?
(で、結局何の用なんだ?)
姿が見えない奴と頭の中で会話するのは、想像以上に気分が悪い。
(アタシの条件をのんでくれたら、アンタのやりたい事をできるだけやらせてあげるよ?)
(できるだけって何だよ? 中途半端だな)
(アタシは下級悪魔だから、やれる事に限界があるのよ)
悪魔が出す条件なんてロクでもないに決まってる。だが、俺は将来に対するビジョンがない。適当に生き、適当に死ぬ予定だ。
それなら悪魔の条件をのんだほうが面白いはず。やりたい事をできるだけやらせてくれるみたいだし。
(良いぞ。条件をのんでやる)
(条件の内容聴かないの?)
(聴かなくても大体わかる。“俺の命”だろ?)
裏社会なら『臓器』になるかもな。
(すご~い。大正解!)
少女っぽい声は偽装工作かと思ったが、本当に子供かもしれない。これぐらい予想できるだろ?
(俺は条件をのんだんだ。今度はお前の番だぞ)
(はいはい、何をすれば良いの?)
(さっきの子の体をじっくり観たい。透視できるようにしてくれ)
最初は簡単なやつにするか。
(それならできそう。ちょっと待って)
(…もう良いよ~)
俺は目を開け、再びさっきの子をチェックする。透視うんぬんはともかく、スタイルが良い子は目の保養だからな。
……彼女の服は透け、裸があらわになっている。近くにいる男どもには透視は適用されていない。もしそうなったら…、考えるだけで吐くぞ。
(見たいレベルは調整できるからね~)
そうなのか。じゃあ“下着を見たい”。そう考えた途端、彼女の大切な部分に下着が現れる。…外見に合った白い下着だぜ。
(おい、この透視はずっと続くんだろうな?)
女の下着・裸が見放題なんだ。終わるのは惜しい。
(ずっとは無理だよ。時間制限あるから)
(制限あるのかよ、使えないな…)
その都度、透視可能状態にしてもらうって事だな。
(アンタがクズであればあるほど好都合♡)
悪魔は俺の文句を喜んでいる。ただのドMなんじゃねーの?
…駅員のアナウンス後、電車がやって来た。俺は立ちあがり、乗車する。席は全て埋まってるから、出入り口付近で待機だ。
(おい悪魔。頭の中で会話するのは面倒だから姿を現せ)
(別に良いけど、今は無理。もうちょっと後なら良いよ)
(何で後なら良いんだ?)
(今は他のクズ相手に忙しいの。ソイツとアンタの掛け持ちしてるから)
俺レベルのクズが他にもいるのかよ? 気になるじゃないか。
(ソイツはそろそろ殺すから、アンタ1人に集中できるわね)
だからもうちょっと後なのか。納得だ。
(わかった。俺はこれから家に帰るが、場所はわかるか?)
(わからないけど、テレパシーを通せばわかるわ)
(そうか。…疲れたから、このへんで切り上げるぞ)
慣れない事はするもんじゃない。
(はいはい)
いつになるかわからないが、俺は必ず悪魔に殺される。その時まで、悪魔を思う存分こき使ってやる。会う時までに、色々考えておこう…。
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