おとぎ戦譚
晴羽照尊
プロローグ
おとぎ話の続きの物語
これは、みなさんがよく知るおとぎ話の続きの物語。
たくさんの物語がありました。それはとってもびっくりするようなもので、かわいそうなこともありましたし、最後は幸せな物語でもありました。
だけど、それだけで彼らや彼女たちのすべてが終わるわけでもありません。物語が終わっても、物語の世界は人知れずひっそりと続いているのです。
物語は人々のためにあるのです。だから物語は、人々の都合のいいかたちで終結します。でもほんとうは、みなさんの知らないところでまだまだ続いてもいるのです。
物語は、けっして終わることがありません。たくさんの人々に語られ、読まれ、愛され、いつしか人々の中で、その人のためだけのものにまで熟成されていくのです。
だから物語は永遠なのです。
だから物語は無限なのです。
これから綴られますは、そんな物語の、ひとつまみ。
きっとみなさんのよく知る、もしかしたら知らない物語の、その後日談。
人の子へ希望を示す『童話の世界』と。
人の子へ絶望を齎す『怪談の世界』の。
それぞれの存在をかけた、大勝負。
こどもがおとなになるために、きっととおる道筋で。
おとながこどもをうらやんで、いつかくやむ旅の跡。
そして、あいまいなあなたが、ほんとうのあなたを見つけるためにここで出会う、とっても不思議で、すっごくかんたんで、ありきたりな夢の一幕。
この中のどこかにあなたはいて、そしてどこかにあなたのよく知る誰かもいるでしょう。
そんなふうに身近で、だけど絶対に違う世界。
とりとめのない夢物語のような、空想と現実のはざまの絵空事。
それではちょっとお耳を拝借。おおきな声では語れない、きれいなだけじゃない内緒のお話し。
はじまりはじまり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます