第3話
Kは気持ちをはっきりと口にはしなかったが、トレッキングトレーニングではハナをペアになることを望んでくれた。
トレッキングトレーニングは広い地下基地のネイチャーエリアを巡った後、月上で装置をつけ月を探索するものだった。
ロマンティックなネイチャーエリアと、宇宙の広さ、静けさに飲み込まれそうになる暗い月上のギャップは心を震わせる効果として十分で、このトレーニングで、訓練生の間にカップルができていっていた。
NJとリンク、ユウとマックス、872とゾマー、そしてハナとK。
ハナはKと二人っきりで、シャックルトンの白い頂から昇る太陽をレンズ越しに眺めた。
その時間と空間と光は、二人の絆を確信させるのに十分なものだった。
静寂さと闇の中、この宇宙には二人しかいないと思うような時間を味わった。
このプロジェクトでは一年の訓練期間が終了した後、二人組で小さな宇宙船で旅立つことが決められていた。
ハナはKと一緒に生きたい、そうできるのなら孤独な旅も怖くないと思った。
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