南米でピアスを開ける

高田 朔実

第1話

2018年4月~7月にかけて、南米(ペルー、ボリビア)を旅行していたのですが、あまりに期間が長く、しかもこれといったテーマがあった旅ではなかったので、旅行記を書こうにもどこから手を付けたらいいのかわからない状況になっている今日この頃。

そんな折に友人から、長期旅行の最中にピアスを開けてどんな状況だったのか、との質問がありました。

病院にも気軽に行けないし、日本では日常的に手に入る物が手に入らなかったりと、予期せぬことが色々起こりがちです。

そして、今にして思えば、ピアスホールを開けたことによって、旅行中の行動に様々な変化があったことは確かでした。


ピアスホールを開けたことにより起きた変化は、大きく分けると、二つありました。


1.アマゾンへ行くのをあきらめた

ペルーへ行く前は、「絶対アマゾンへ行くぞ!!」と意気込んでいたのですが、ピアスホールがなかなか安定しなかったので、段々とまあいいかと思うようになり、結局行きませんでした。

傷口から未知の病原菌が入ったりするとちょっと心配だったので。(ホールがあろうがなかろうが、病気になるときはなるし、運のほうが大事な気がしますが)。


2.旅行費用に占めるピアス代の割合が増えた

せっかくピアスホールを開けたのだから、あれもつけたい、これもつけたいとなるのはごく自然なことです。もとから開けていたなら、手持ちのピアスも多くあるだろうからそれほど購買意欲は刺激されないのでしょうが、旅行中に開けてしまうとなると…。

安定するまで付け替えられず、「数か月後にはこれを使うんだ!」と想像力ばかりたくましくなり、さらに消費が進む結果に。

ピアスを買わなければ、旅行に費やすお金がもっと増えていたことでしょう。しかし、行動すればするほど危険は増すのも事実なので、もしかしたらいい具合にピアスの消費がブレーキになり、無事帰って来れたのだと言えなくもないかもしれません。


開けるかどうかはっきり決めていなかったのですが、同行者のPさんに、

「イヤリングの金具はかわいくないから、つけたいのならイヤリングよりピアスにした方がいいよ」

と言われ。

「ペルーのほうが湿気も少ないし、仕事してなくてひまなときのほうがケアもしやすいから、いまがチャンスなんじゃないの?」

と言われ。

どうせ開けるのであれば、リマよりもアヤクーチョで開けたいな、という気もしていたので、

「アヤクーチョへ行ってから検討します」

などと言っているうちにアヤクーチョに到着し。

そこでかわいいピアスをいろいろ見て、もう一人の同行者の方がうれしそうにピアスを買っている場面を見て、そうこうしているうちに、開けることになりました(しましたというべきか、なりましたというべいかは、微妙ではありますが…)。


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