フェミニズムとポリコレをめぐる論争はなぜ醜いのか？

第16話 自民党過激ダンスパーティーは悪なのか？

　別に逆張りを張りたいわけではありません。自民党青年部会の懇親会に半裸のダンサーを招き、肉体的な接触をしたことがなぜ叩かれているのかを考えましょう。

１．余興の種類

　この度アカデミーショーで主演女優賞をとったエマストーンさん。彼女が主演した「哀れなるものたち」は、かなりの性的な描写があるそうですね。この「哀れなるものたち」をこの懇親会で上映したとしたらどうでしょうか。

　日活ロマンポルノと何が違うのでしょうか。含意ですか。テーマですか。ただ、女性が性行為をするシーンが法律の範囲内で描写されていることには変わりがないです。

　アニメならどうでしょう。宮崎駿さんもアカデミーショーをとりました。ただ、彼の作品は深層心理として、かなり性的でもあります。母や義母を性的な目で見ていますし妊娠も表現されています。そもそも宮崎駿は作品全体に隠しようのないロリコン臭があります。

　アイドルコンサートならどうですか。ＡＫＢとか乃木坂とか詳しくは知りませんが、制服モドキのミニスカートの衣装で、中高生あたりのアナロジーとして女性を振りまいていました。お金で握手という性的な行為を売ったとも言えます。

　バレエならいいでしょうか。ドガの踊り子でも有名ですが、もともとパトロンが愛人を探すための場がバレエです。同じ踊り子ではないですか。ベリーダンスやポールダンス、フラダンスなどは多分に性的です。ダンスそのものが女性の美しさを性的に見せるものではないでしょうか。

　要するに娯楽とは皆どこか性的なのです。それを無視すればエンタメは全滅です。

２．大衆心理

　懇親会という名目でちゃんと余興付きのパーティーである場ですし、ＴＰＯという面では問題は無い気がします。問題は自民党という名前がついたことですね。

　論理的に非難に値するかどうかは別にして、バレれば炎上するという感覚は必要だったでしょう。政治的な感覚と言う奴です。有権者の信頼が大事な人たちですからね。その点で脇が甘いと言わざるを得ません。大衆にはエライ人も自分と同じ清貧であるべきだ、という感情があります。それが経済を停滞させているとも言えますけど。大衆心理をもっと理解しましょう。

３．お金の出どころ

　税金ではないと言っていますが、それなら問題は無い気がします。卒業式の謝恩会や会社の社員のパーティーなどは公的な場として、上部団体から補助がでるのは普通な気がします。

　そもそも税金ならまずい…でしょうか？まあ、懇親会というパーティーにお金が出ているのは納得行かない人もいるでしょう。特定の人の娯楽に税金が使われる、という点で問題はあると思います。

　ですが、それがダンサーという職業の彼女たちにお金を還流していることになります。ハレを受け持つ華やかな職業の人は、こういう行事によってお金を得ていることが多いのではないでしょうか。

　特に今回は、ダンサーの行為についての叩きが多いのでその点は職業差別な気がします。

　ＭＭＴ理論は私は信用してませんが、一部の人が言っている、税金の機能として、財務の為ではなく大衆からお金を吸い上げて、還流することで経済成長を担うのがその機能だという説があります。

　この説は説得力があります。黙っていれば貨幣は停滞しますからね。その点で税金も使途よりも公平に還流されたかどうかを考えたほうがいいかもしれません。

４．半裸・肉体的な接触・上流階級・ハレ文化

　今回水着か下着か知りませんが、舞台で踊った女性の衣装がまずいのでしょうか？陸上競技やビーチバレーと露出度は変わらないし、シンクロや体操・新体操だって女性の曲線美を見せます。

　肉体接触が駄目なら、社交ダンスも駄目ですか？上流貴族の社交は肌を見せ肉体接触を前提としています。変な言い方ですが、上流階級は男女がいかにしてスマートに遊ぶかという世界です。

　日本の盆踊りの裏で行われている夜這い習慣も駄目でしょうか。まあ、現代なら駄目ですか。ですが、ハレとケのハレの日に性的な解放があるのは文化ではないでしょうか。クリスマスのデート率は今でも高いのでしょうか。要するに華やかな日には性的に解放される日でもあるということです。