ts司祭さんの迷宮日記

第1話 出会い

俺の名前はアークライト。クズ。

　迷宮都市リノレガミン。大陸唯一の迷宮を持つ国家。

　そこでいつも通り俺はソロで迷宮に潜る。目指すは第二層。

そこで行うのは魔物相手への暴力、殺戮、強奪、蹂躙。

人間相手に行ったら間違いなく地獄に送られるであろう暴虐。通称、狩りだ。自分で言うのも何だが迷宮探索者

　1時間程狩りをしている時に気づいた。人らしき影が首刈り兎の群れに襲われている。

その上誰も助けに行く気配は無い。知らない冒険者がくたばろうと何も損は無いからだ。この悪意の迷宮で他者を助ければ確実に足元を救われる。迷宮内では

何より下手に他者を助けて

　即座に白魔術第三位階〝雷撃魔術〟を詠唱する。

　拡散する雷により複数の敵を粉砕する範囲魔法が首刈り兎達の命を刈り取った。

　もうこれはだめだろうなと思いつつも近寄る。

　倒れていたのは10代後半に見える少女であった。

　黒髪黒目の本当に今まで見たこともない美しい人だ。

　本当に美しいものを見た時人はどうなるのだろう。俺の場合は背筋が凍り体温が上昇するという矛盾が体内で行われていった。

　見惚れている場合じゃない、早く連れて帰ろう。

　後世に伝えられる英雄アークライト、通称〝白銀〟の英雄譚はここから始まった。

　未来の英雄が現美少女の元ネカマのおっさんに恋する地獄絵図が始まったとも言えるが。