ストッキング教in異世界

第16話

　　時折、このスキルを持つ世界は実に便利であると感じることがあります。【水球の術】スキルを発動すれば、自動的に魔力を魔法に変換し、水球が自動的に現れます。もちろん、水球の形状を選択し、水球の力を制御するために魔力の量を選択する必要がありますが、その過程は自分でコントロールする必要はありません。

　　しかし、前世の世界はそんなふうではありませんでした。【水球の術】のような水球を作るには、まず自分の【気】を球体の形に変えて取り出し、同時にその中の陰と陽の比率を変えて水に変換する必要がありました。

　　そこで問題があります、どのような球体の形状が最適かは？答えは固体で、【気】も魔力もどちらも気体に似ています。したがって、前世の【修仙】では毎日【気】を圧縮するという練習がありました。毎日圧縮を重ねることで、【気】／魔力を液体に圧縮し、さらに固体に進化させることができました。圧縮された【気】／魔力は使用時に便利で、消耗も減少します。

　　俺の【絲魂大法】もこの概念に基づいており、【気】を固体に変えて糸にし、それを女性に付着させ、徐々に相手の魂を変換していくものです。ただし、この世界ではスキルが存在し、何故か【絲魂大法】もスキルの形で、俺の信者たち全員が使用できるようになりました。

　　ちなみに、前世で【気】がなぜ【気】と呼ばれていたかは、それが本当に気体状だったからです。

　　技能があるなら、なぜ俺は自分の魔力を圧縮する必要があるのか？裏切られたときから、俺はこの修行をしており、最近では魔力がついに液体に変化しました。

　　「おお…こんな発想もあったのか、さすがはヴェーバー大人だ。」

　　デージー、お前がお世辞を言っても、俺の好感度は上がらないぞ。

　　「これ…火の棒みたいだね。」

　　「火の剣と言うべきだ。」

　　そう、俺は魔力を火属性に変え、剣の形に変えて手に握っていました。今、我々は人通りのない郊外で、本物の【魔法の剣】を試しているのです。これは魔法を剣に付加するのではなく、魔法そのものを剣に変えるものです。

　　これはやや棒状に見えるもので、十字の形の柄がないためです。作れないわけではないが、魔力を無駄にするだけで、俺はそれが必要ではないと考えている。実際、以前も魔法を剣に変えることはできたが、魔力の消耗が激しく、魔法の剣の中の魔力は気体のように漏れ続け、通常の火を起こすときに木の薪を絶えず追加するような状況だった。

　　しかし、今俺の魔力は液体状になっており、魔力の流失は気体状のときよりもはるかに少ないことがはっきりしています。もしも固体状になれば、剣の形を維持するだけで魔力が漏れなくなる。これが俺が目指している目標だ！俺の魔力が十分にあれば、魔法の剣はほとんどの有名な剣よりも強力であり、武器を失ったときの最後の手段としても利用できるだろう。

　　さらに重要なのは、前世の修仙の過程で、この圧縮には特別な理由があった。ただし、この世界が同じかどうかは分からないので、一旦置いておく。

　　村に戻ると、俺は突然自分の体に魔力が湧き込んでくる感覚を覚え、しかも少量ではなく、元々の魔力総量の約半分にも及んでいた。何が起こったのか！

　　「ヴェーバー大人！」

　　俺が疑問に思っていると、ガリーナが笑顔で手を振りながら走ってきた。そうだったか、【絲魂大法】が初めてガリーナたちに使われて、今では作業が終わり、使用者である俺に戻ってきたのだ。

　　ガリーナが走っていく途中、私の傍らにいたアミリアとデージーを見て、急に足を止め、本来の笑顔も消えてしまった。アミリアとデージーはガリーナを見ると同時に、デモンストレーションのように私の腕をひとりが左、もうひとりが右でしっかりと抱えた。

　　最初、ガリーナは私たちに眉をひそめて睨みつけていましたが、その後、仲間のステラ、イザベル、キャサリン、そして見知らぬ少女も駆けつけてきました。ステラは私たちを見ると一瞥し、ガリーナの耳元で何か言った後、ガリーナは疑念を解いて再び微笑みながら歩いてきました。

　　「さすがはヴェーバー大人、彼女たちを仲良くさせるとは。」

　　「ガリーナ、彼女たちを知っているのか？」

　　「一度だけ、前回ダンジョンを出てシャナラ市に戻る準備をしていた時、彼女たちに出会いました。」ガリーナはデージーを見て、そしてアミリアを見て、「彼女を虐待していたので、私たちがストッキング教の教義と美を教えてやりました。うまくやったものでしょう。」

　　ガリーナは安心げな表情を浮かべ、デージーをいらだたせました。

　　「ガリーナさん、彼女たちは？」見知らぬ少女が歩み寄って尋ねました。

　　「こちらはヴェーバー先生と彼の仲間、冒険者でもある。」

　　「こんにちは、私はラクレジアと言います。薬師です。」

　　俺はステラを見ると、彼女は急いで説明しました。「私たちはラクレジアさんがダークダンジョンのワイルドエリアにあるある種の薬草を探す手伝いをする仕事を引き受けました。」

　　ワイルドエリアはダークダンジョンの地下12階にありますが、彼女たちは…

　　「彼女がちょっと可哀想だと思って…」ステラも私が彼女たちに注目していることを理解して、悔しそうに首を垂れました。ラクレジアはすぐに言いました。

　　「違います、私の出すお金が少なすぎるのです。でも私が住んでいる村は小さな村で、それほどお金を出せません。」

　　何か裏があるようですね。

　　「私の村で疫病が発生しているんです。慢性の病気で、皮膚に発疹が出てかゆくなり、結局は治療しないと皮膚が剥がれて死んでしまいます。治療に必要な薬の中に、ダンジョンの中でしか手に入らないものがあります。」

　　「ダークダンジョンの中？」

　　「はい、しかも一番近い位置にあります。」

　　しかし、ステラたちは9階までしか行けないのに、これは無茶じゃないか？俺はステラたちが受け入れるのは危険すぎると考えました。石の壁のように彼女たちを阻むことができるはずのガリーナを見ると、彼女は視線をそらし、ラクレジアの足を見て、そして再び俺を見ました。

　　そうか、俺がラクレジアがストッキングを履いていることに気付いたことで、彼女はラクレジアを俺に差し出そうとしているのだろう。でも、それが錯覚なのかは分からない。ラクレジアの身体には何か奇妙な感触があるように感じられ、俺には何なのかわからない... どこか変だと思えた。

　　とにかく、俺たちは暇なので、ステラたちと一緒に行くことにしました。地下12階に到達するには通常約15日かかるはずです。ただし、ステラたちが初めてなので、一応20日に設定しましょう。念のために、物資は30日分用意する必要があります。