229.いっぱい食べたいニワトリスたちと、感覚が少しおかしくなってる俺
シロちゃんが時々海から顔を出していたのは、俺がシロちゃんたちの姿を確認できるようにとの配慮だったらしい。
もー、なんなのうちの子たちかわいすぎだろっ!
少しの間シロちゃんをぎうぎりさせてもらった。優しい!
お昼ご飯は、獲ってきた魚の中でも大きめのをぶつ切りにして従魔たちにあげた。あとはシュワイさんが三枚に下ろしてくれたりし、浜辺でBBQ用の台を土魔法で作ってもらってBBQをすることにした。雑貨屋で網を買っておいてよかった。さすがに鉄製の網は土魔法では作れない。
そう考えると金属加工をする魔法ってあるのかな? 鍛冶魔法みたいなのがあったりするんだろうか。全然見当もつかなかった。
鉄製の網とか鉄板とかは屋台で使っているところもあるから、雑貨屋で手に入る。BBQ用の台を土魔法で作るという発想はなかったらしくて、防衛隊の面々が目を丸くしていた。まぁこういうのも発想力だよな。俺は元の世界で竈とか簡単に作れたらいいなとか思ってたから、羅羅が土魔法を使えるって聞いて頼んでみたけれども。
獲った魚を焼いて食べたら、みんな笑顔になった。
「いやー、うまいなー!」
「獲ったばかりの魚ってこんなにおいしいんだなぁ!」
マウンテンさんとボウさんが晴れやかな笑顔で魚を貪り食っている。塩胡椒振っただけなんだけどね。あ、一応クミンとかも振ったから余計においしいのかも。
「主よ、もっとくれ」
「オカワリー」
「オトカー!」
「オヤサイー!」
「はいはい、ちょっと待ってねー」
少し離れたところに布を敷いて従魔たちの餌を並べていた。いっぱい動いたから羅羅もシロちゃんも足りないみたいだった。
「オトカ、出してくれれば私が切ろう」
「ぶつ切りにするだけなんで大丈夫ですよ~」
大きめの魚を出してダンッダンッと切り、従魔たちにあげた。ピーちゃんには買っておいた野菜を適当に切ってあげる。もちろんだけど魚を切った後は包丁に浄化をかけてから野菜を切った。これなら野菜も生臭くはならない。
従魔たちはご機嫌で食べている。
「……オトカ君て何気にハイスペックよねえ」
リフさんが魚を食べながら呟いた。
「だろう?」
「なんでシュワイが得意そうなのかわからないわあ」
「肉食いてえな」
リフさんとシュワイさんが話している横でセマカさんが呟いた。まぁ魚は肉っぽくないもんな。
「肉も焼きます?」
「いいのか?」
「ええ。シュワイさん、切ってもらっていいですか?」
「ああ、いいぞ」
俺たちが食べる分はシュワイさんに切ってもらう方がおいしい。鉄製の串に肉を刺し、焼いていく。防衛隊、シルバーの面々の目がキラーンと光った。あれだけ魚を食べたのに肉を見ると違うんだなぁと思った。
「きょ、今日はなんの肉?」
ホワイトさんは涎を垂らしそうな勢いである。けっこうボアの肉が在庫であったから、
「ボアの肉です」
と答えたら喜ばれた。ボアでいいんだと思ってしまったのはないしょだ。
実際のところディアーの肉もアイテムボックスの中でうなってはいる。ワイルドボアの肉も同様だ。でもただで人に食べさせるならボアかなってかんじ。そのボアですらも魔物の肉だから普通の肉よりうまいらしい。
普通の肉、食べてないからわからないなぁもう。(贅沢の極み)
「主よ、我にも肉をくれ」
「オニクー!」
「オトカー!」
「オヤサイー!」
肉と聞いて反応した従魔たちには、ポイズンボアの肉を切ってあげた。ピーちゃんには毒草を出した。みんな喜んで食べてくれてよかったなーと思った。
さて、みんなおなかぽんぽこりんになったところで報告である。
羅羅とボウさんが説明することになった。
「魔物の姿は一、二頭といったところだな。数は減っただろう」
「でかい魚は多かったが魔物の姿はほとんどない」
「そうか……」
リテンイさんは思案しているようだった。勝手に決めるわけにはいかないからだろう。
俺たちも依頼で来ているわけではないので、午後は各自好きに過ごすことにした。その前にギルドへ狩った魔物の解体を頼みに行くことになった。
シルバーの人たちと一緒に狩ったから半分と思ったのだけど、
「楽しかったからいらない」
「あ、でかい魚一匹だけもらえると助かります」
マウンテンさんとボウさんに言われたので、でかい魚を三尾ぐらいシロちゃんのアイテムボックスから出してもらって渡した。
「ありがとう。助かるよ」
ウイングさんが苦笑いしてそれらはマジックバッグにしまっていた。
魔物じゃなくてでかい魚も戻ってきているということは、もうシーサーペントはいないんじゃないかなと思う。これは素人考えかもしれないけどさ。
ギルドへ顔を出したら、ギルド長を呼ばれてしまった。
倉庫へ行きたいだけなんですけどー。
報告はリフさんとセマカさんに任せたかったけど、スタンさんはシュワイさんから聞きたいみたいだ。シュワイさんは俺と一緒じゃないとやだっていうから結局俺も付き合うことになる。
ま、しょうがないかと思いながらスタンさんに今日の海の様子を伝え、やっと倉庫へ移動して今日の獲物をシロちゃんから出してもらったのだった。
次の更新は、15日(月)です。よろしくー
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