意味が分かると怖い話

enoki_えのき

第1話 落ちた先で

私は現役の大学生。少し綺麗な小さいアパートに一人暮らし中だ。

私のアパートの隣には一軒家があり、そこには小学生の男の子1人と両親の3人家族で暮らしているらしい。その子の名前は坂口 さかぐちしょうという。近所だということもあり、翔君とも翔君の親御さんとも仲良くなった。


ある日のこと。その日は祝日だったから、久しぶりに公園に散歩に行くことにした。

公園に着くと、元気に子供たちが遊んでいた。その中に翔君もいた。一緒にいるのは、多分学校の友達だろう。

私は一休みしようと公園のベンチに座った。


しばらくボーっと公園の様子を眺めていると、事件が起こった。


ガシャン

翔君がブランコから落ちたのだ。

驚いて慌てて駆け寄ったが、意外にもケロッとしており、片足でジャンプしながらこっちに来て

「全然大丈夫だよ!ありがとう」

と言ってまた遊びに戻り、翔君は友達に周りを囲まれていた。

私もその時は大丈夫だろうと思い、時間も時間なので家に帰ることにした。


その夜のことだった。

翔君の親御さんが、血相を変えて今にも泣きそうな目をしながら私の家に訪れた。

「翔が、全身打撲と両足骨折で緊急搬送されたの…」

「え……」


やはりあの時大怪我をしていたのだろうか。




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