社畜 グループ結成

剣が砕かれ身体が斬られる

力無く地面に倒れ伏す

勝者のみが立っている


「俺の勝ちだ」


静寂の中たった一言が辺りに響く


『おぉぉぉぉぉぉ!』

『勝った! まじか!』

『ニワトリくんすげぇよマジで!』

『凄い戦いだった……』

『おぉ!』

『勝ったぞ! 宴じゃ!』


一鬼は拍手している


「いやまさか勝てるとはね」

「本当にギリギリだった」

「ほぼ1人で討伐じゃないですか」

「間違いないな。私達は途中から空気だったし」

「そんなことは無いって」

「謙遜は要らない。まぁでも最高のスタートじゃん」

「スタート?」

「契約忘れたんですか? しっかりモリモリに編集するのでお任せを!」

「あぁすっかり忘れてた」


蓮二は魔物の方を向く

魔物はある場所を指を差している、その先には魔物が座っていた椅子がある

そこに行けという意味だろう

3人は椅子の元へ行く

すると指輪が置いてあった

魔物を見るともう消滅していた

魔石とつけていた仮面だけが落ちている


「指輪?」

「指輪ですね」

「なんだろうなこれ」


指輪を適当な指につけてみる

すると異能の炎を吸収する


「異能の吸収?」

「多分この指輪の能力は蓄積と放出だと思います」

「溜めて任意で放つ」


試しに使ってみると指輪に貯めた炎を放てる


「おぉピッタリじゃん」

「正しく鶏さん向けの魔導具ですね!」

「これは助かるな」

「それじゃ休憩してから帰るか」

「流石に疲れた」

「あれで疲れなかったらおかしいですからね」


3人は休憩してから入口に向かう

道中の魔物は一鬼が倒していく

そして問題無く入口に着き配信を終える


「では私は動画編集するので」

「私も手伝う」

「それじゃ解散で」


3人は入口で解散する

疲れた蓮二は家に帰りそのままベットに沈んでいく

気づいた時には次の日の朝になっていた


「まじか」


シャワーを浴びて家にある物で簡単な物を作って食う

配信の再生数は今まで以上に上がっている

通知が来て見るとグループに招待されていた

一鬼、天音、蓮二のグループ


『昨日一度送ったんだが疲れてたか』

『家帰ってからぐっすりだった』

『成程、それで相談なんですが今時間あります?』

『ある。何?』

『グループ名を考えることになりまして』

『グループ名?』

『今あの会社と契約してるのは私達3人だけ、個別でもいいけど多分この3人でダンジョンに潜ることが多そうだからそれならグループと組んでしまえばいいと思ってね』

『1つのグループとしてなら3人で行動する事に違和感はありませんし知名度上げにも使えると思います』

『成程、それで名前か』

『何がいい案ありません?』

『私はネーミングセンスが終わっててね』

『私も余り上手くは無いです』

『言うて僕もなんだけど……』

『面倒だから名前くっつければ良いと思うんだよな。天鬼鶏って感じで』

『天鬼はそれっぽいけどそこに鶏が並ぶのか……』

『それ鶏の品種名に見える。というかなんて読みなの?』

『てんきどり』

『ま、まぁ悪くは無いんじゃない? 3人の名前を並べてるんだから』

『思い付かないのでこれで決定にしますか』


配信名が鶏に決まった時点で名前は諦めている

そうして天鬼鶏に名前が決まり数日後に始まりの動画が公開された

配信の動画を上手く切り抜いて繋いで見せている

2人は配信者見せ方は慣れている

そして最後に会社のロゴが映り終わる

概要欄にスポンサー契約の話が書かれている

戦っているのが自分とは思えない戦いをしている


『鶏君は雑談に参加する?』

『遠慮したいかな?』

『雑談は私達だけでも大丈夫だと思う』

『そうか? 3人揃ってた方が良くないか?』

『いや3人集まってどこで撮るんですか?』

『私の家で』

『色々噂立てる人居るからやめたほうがいい。むしろダンジョン攻略の際にのみ参加するみたいな設定で行けば違和感無く行けると思う』

『でもグループだぜ? 鶏君女装しようぜ!』

『2人で頑張ってくれ』


こうして3人はグループ天鬼鶏は動き出した

わちゃわちゃしながらも3人は多くの活躍を見せて行く

社畜から解放された蓮二は目まぐるしいほどの活躍をする事になる

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