第二章

二人の新居(笑)

 ――……二ヶ月後。


 ここはリュコノグルの城下町にある王立騎士養成学園。その塀の外側には、学生寮と教員寮が建っている。

 そして、その近くに真新しい屋敷が建っていた。因みに、それほど大きな屋敷ではないようである。それでも塀でまわりを囲まれていた。

 屋敷の中は普通だが、それなりに豪華である。

 その奥の客間には、ハルリアとルミカとカールディグスとメイミルがソファに座り話をしていた。

 そうここは、ハルリアとカールディグスのために用意された屋敷である。


 因みにカールディグスは、学園に旅立つ前日になって行きたくないと言いだした。

 流石のカールディグスも、ハルリアハルリオンと一緒に暮らすのが嫌……抵抗があったのだろう。


 そして現在ハルリア達は、これからのことについて話しをしている。


「まさか、こんなプレゼントをしてくれるとはな」

「ええ、それも……師匠とカール様が学園長の公認カップルという事ですしね」

「そうそう、これで心置きなく……ムフフッ……」


 それを聞きカールディグスは、ムッとした。


「メイミルッ! からかうな。僕は……こんなつもりで、あんな嘘をついたんじゃない」

「でも、そうしておいた方が……無難だと思いますよ」

「そうかも……だけど。そもそも、なんで寝室が一つで……それもキングサイズのベッドって……」


 そう言いカールディグスは、俯き頭を抱える。


「その前に、学園長はハルリア嬢が隊長だってしってるんですよね?」

「カール、ああ……だから余計にお前と一緒の方がいいと思ったんじゃねぇのか」

「そうだとしても……これじゃ変な噂が立って、女……いや、色々とやりづらくなるんじゃ」


 それを聞きハルリアとルミカとメイミルは、ジト目でカールディグスをみた。


「なるほどですねぇ。ですが、まさか……カール様の口からと云う単語を聞くとは思いませんでしたわ」

「うんうん、やっぱりムッツリだったんだね」

「待ってくれ! 僕は、自分のことを言ったんじゃなくて隊長の……」


 カールディグスはそう誤魔化そうとする。

 するとハルリアは持っていた鞘におさまったままの剣で、カールディグスの頭を軽く叩いた。


「おいっ、人のせいにするんじゃない! それに、お前も男だ。ここに女を連れて来ても問題ないだろう」

「師匠っ! それって、大問題ですよ」

「そうそう、ルミカの言う通り。そもそも、ここに女を連れ込んでたら……カール様と師匠の関係がバレちゃうからね」


 そう言われハルリアは、ガッカリする。


「まあ、それはいいとして……ですが。これから、大変になりますね」

「ルミカ……そうだな。オレは、ここで身を隠しながら……元に戻る方法を探らなきゃならない」

「ええ、僕もそのつもりです」


 そう言いカールディグスは、ハルリアへ視線を向けた。


「カール、オレはその気はないぞ」

「僕もその気はないです。ていうか、その眼はからかってますよね?」

「ああ……ハハハハハ……カール、お前は変なところ真面目だからな」


 それを聞きカールディグスは混乱する。

 そしてその後もハルリア達は、色々と話し合っていたのだった。

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