疑われると話し合い

 ここは城下町のハルリア達が泊っている宿屋。そしてハルリアの部屋である。

 夜になり、すっかり暗くなっていた。

 ここにはハルリアの他、ルミカとカールディグスとメイミルがいる。


 あれからハルリア達は、結果をみたあと話しをしていた。

 そこにセリアーナとシャルルカーナが来たため、みんなでお祝いをしようという事になる。……勿論、セリアーナとシャルルカーナも受かった。

 そのため城下町の少し高めの食事処に向かう。

 その後ハルリア達は食事をすませると、また学園でという事になり別れた。


 そして現在ハルリアとルミカとカールディグスとメイミルは、真剣な表情で話をしている。


「とりあえず……みんな受かって良かったな」

「師匠、そうですね。でもこれからが大変だと思いますよ」

「ああ……そうなると寮生活になる。隊長は、女性と同じ部屋に……」


 そう言いカールディグスは、ジト目でハルリアをみた。


「そうそう……でも学園長は、師匠のこと気づいてるんだよね?」

「メイミル、ああ……知っている。そうなると、悔しいが……一人部屋にされるな」


 それを聞きルミカとカールディグスとメイミルは、ハルリアを犯罪者をみるように視線を送る。


「当然です。馬鹿なことを考えないでくださいよ!」

「そうそう、ルミカの言う通りです! 隊長が、女子寮に入るだけでも犯罪行為なんですからね」

「ウンウン……中身は男なんだから、覗きなんかしちゃ駄目だよ」


 そう言われハルリアは、ムスッとした。


「……オレが、そんなことをするようにみえるのか?」


 そうハルリアが問いかけると三人は、思い切り首を縦に振る。


「……」


 それをみたハルリアは、絶句した。そう、そこまでハッキリ頷かれ何も言い返せなくなったのである。

 それに自分でも否定できなかったからだ。


「やっぱり、なんかよからぬことを考えてましたね」

「ルミカ……いや……そうだな……分かった。なるべく用がないのに部屋から出ないようにする」

「本当にそんなことができますか? ハァー……まぁ、恐らくその点は学園長が考えてくれるでしょう。それよりも、今後のことです」


 そうカールディグスが言うと三人は頷いた。


「明日は、ここを発つ」

「ええ、師匠。とりあえずは、家に戻って待機でしたよね」

「ああ……ルミカ、まだいつから通えるか分からんからな」


 そう言いハルリアは、三人を順にみる。


「そうですね……確か、書類が家に送られてくるんですよね?」

「カール、そうなる。その時に、いつから寮に入り学園に通うことができるのか分かる」

「そうだね……ああ、なんか楽しみだなぁ」


 そうメイミルが発言すると三人の顔は青ざめた。


「メイミル……そういえば、よくお前が教員試験受かったな」

「師匠……それって酷いですよぉ。私だって、ある程度のことなら分かりますっ!」


 そう言いメイミルはジタバタ暴れる。……いや恐らく七光り的な誰かの計らいだろうな。

 そしてその後もハルリア達は、これからのことを話していたのだった。

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