第50話 推しキャラにだけ呼んでほしかったんです

「ついにここまでたどり着いた……いや、たどり着いてしまったか、勇者よ」

「……そうだなぁ。お前の顔なんて見たくなかったよ魔王。俺はあまりにも……お前に恨みがありすぎる」


 魔王の姿を見ただけで、俺の怒りは頂点に達した。


 こいつさえいなければ、俺の家族は無事だった。友達だって恋人だって苦しまずに生活できただろう。


「お前とは会話なんてしたくない」俺は魔王に剣を向ける。「さぁ殺し合おう。これが最後の戦いだ」


 どちらが勝っても世界が変わる。魔王が世界を統一するか、勇者がそれを止めるか否か。


「良いだろう……」魔王は玉座から立ち上がり。「ここまでたどり着いた実力に敬意を評し……全力で相手をしてやろう。大好きだよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る