悲しみが穢れるまでに
蛇ばら
悲しみは突然やってくる
悲しみは突然やってきて、ふとした瞬間に私を蝕む。
そんなとき、私は孤独で世界で最も哀れな者だと思いたくなる。
生きている意味がわからなくなってくる。
孤独のうちには寂しさがあって、
誰もわかってくれないものだと嘆きながら
ほんとうは、誰かにわかってほしいのだと訴えている。
くるしい、つらい、と叫ぶこころは
ほんとうは、たすけて、みつけてと叫んでいる。
誰もわかりはしないこのこころだけれど
わかりはしなくてもよいから
誰かに寄り添ってほしいともとめている。
悲しみは突然やってくる。
ふとした瞬間に私はくるしむ。
このちっぽけな命をうしなうことができたらともとめる。
それでも歩んでいこうとほんのすこしだけ思えるのは
誰かに寄り添ってほしいともとめているためだ。
だから今日も生きるのだ。
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