俳句137:赤黒き名札の針の酷暑かな

赤黒き名札の針の酷暑かな

あかぐろきなふだのはりのこくしょかな


季語:酷暑



 これは、私が俳句を始めたきっかけになるのかもしれない。嫌なことも腹ただしいことも、俳句にしてしまえば、意外と悪くない。怒りを五音や七音に変換すると、自己流のアンガーマネジメント。


 だが、それが俳句になるかといえば難しく、俳句として発表出来るものには仕上がらない。その中でも、これは成功例になると思う。


 これは、私を常に悩ませる部下の話。かなり体格の良く、尋常じゃないくらいに汗かき。朝10時には、膝から上は汗で変色している。

 一夏で胸ポケットは赤茶に染まってしまう。それは名札の針が、汗の影響で錆つきボロボロになったせい。YKKのファスナーだって変色する。その汗が乾き匂いたてば……。


 俳句にしてみれば、意外と悪くない。

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