幕間(call)

──prrrrr……(カチャッ)


 「もしもし、鶴橋です──え? 恭子、さん? は、はい、ご無沙汰してます」


 「姉さんはご迷惑かけてませんか? ……あぁ、やっぱりね。すみません、押しの強い姉で」


 「ええ、問題ありません。ボクの方は、ボクなりに中一男子の夏休みを満喫してますから

 ──むしろ、ずっとこのままでもいいくらい(ボソッ)」


 「はい……え? 姉さんの部屋の本棚、ですか?」


 「たぶん、分かるとおもいますけど、どうして……」


 「!! それ、ホントですか?」


 「わかりました、必ず見つけます!」


 ……

 …………

 ………………


 「もしもし、朝日奈さんですか? ボクです。香吾です」


 「ありました! 古い和紙の本と、その隣りに姉さんが書いたらしい字のノートが!」


 「朝日奈さんたちは、明後日の午後、コッチに戻られるんですよね? はい、その時に」


 「そうですね、落ち合うのは──区立図書館の談話室とか、どうでしょう?」


 「ええ、そうですね。巧くいくといいんですが──いえ、信じます。ボクだってその方が嬉しいですし」


 「はい、では、午後4時に図書館で」

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