第16話 デモシカ詩人の創作大覚醒?!
詩人にでもなるか~
詩人にしかなれねえかも、な。
そんなことを云いながら、このところ詩を作りまくっている中年のおっさん。今年誕生日向かえたら56歳になるわけで、国鉄ならこの3月で定年を迎えているような年齢なのに、ねぇ。それで中年とか、笑わせるなよ。初老なんかテメエ、とっくに超えてやがるくせに。まったく、よう。
と、自分に突っ込むアホがおります。
ご丁寧に、自分のことはよくお分かりのようです。
デモシカ詩人
ヘルマン・ヘッセみたいに「詩人以外の何物にもなりたくない」とまで言うほどの信念は、このおっさんに期待したって無理難題を通り越した夢物語。そんな彼にも信念というものはあって、ええ、あるのですよ。
今日は、信念をもって、ビール!
なんでこんなことを云うかって?
とりあえずビールなんて頼み方する人らへの当てこすりだそうです。
ビール一杯、まあその、杯数の問題ではなく量の方の一杯みたいだけど、それはまあ置いておくとしても、ビール飲むくらいで何の新年なのか、新年七日の七草がゆを食べてもわかりそうにない話ではありますね。
あ、違った、ビリーフの信念だったね。そう、信念の酒・ビール!
そんなへっぽこなるへぼ詩人、何をトチ狂ったのか、ついに、ぶち上げました。
正力松太郎翁の巨人軍への遺訓の〆の部分を、しっかり活用して、ね。
ヘルマン・ヘッセに、追いつき、追い越せ!
なんとこれが、彼の詩人としての座右の銘なのだそうです。
おいおい、大きく出たなぁ。選りにも酔って(!)、ヘルマン・ヘッセか。
大体、大してヘッセの作品を読んできていないにもかかわらず、そんなことを云いだしたのにも、何やら訳があるのだろう、って?
そりゃ、あります。
晩年のヘルマン・ヘッセと文通していた広島の作家さんの生涯を追っていて、ふとそのような思いに至ったらしいでよ。
大した「人物」もいたものよ。
でもさ、どうせ目指すなら、そのくらいぶち上げていかないと、やっていけない仕事なのかもしれないね、詩人、ってのは。さすがは、ヘルマン・ヘッセに追いつき追い越すことを掲げるだけのことはあって、こんなことを云っておるらしいぞ。
詩を作るより田を作れ
こんなことわざのような慣用句があるらしいが、彼にかかれば、この言葉はアマチュアの三流までしか通用しない寝言でしでしかないそうな。そんなことを云うだけあって、彼のいう言葉は、こう。
詩を作ることは田を作ること
詩を継続して作り続けることで、田畑を作って耕し、そこで作物を育てて実らせて収穫する一連の仕事が成立するという趣旨であるとのこと。
そりゃあ、ヘルマン・ヘッセに追いつき追い越そうと思えば、そのくらいでないと無理に決まっていらあな。
そんな彼に言わせれば、詩を作ることは宗教レベルの解決への道なのだそうな。
もう、並の人間が気安く減らつき近寄れる相手じゃなくなったのか。そりゃあそうだろうな。彼の若い頃の口癖が、これだぜ。
人と同じことをしていて、国鉄の金田や南海の野村のような一流になれるか!
彼は野球どころかスポーツ自体をしないが、その分、自分の向かう世界での一流を目指してきた。そんな目標掲げるがゆえにのたうち回ったみたいだが、それもみな、詩人となってへの追い越すための「取材」というか、肥やしだった。
そう見立てれば、なるほど、ってことになるか。
デモシカ詩人を作り上げた背景は、デモシカに程遠い要素があまりに多いようであります。
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