詩集「絶縁ノ根絶」（完）

第10話「番犬の豪」

甘き、五膳に

何を欲す

この欲意に

その調べに

端的な行動計画を立てて

なんの糧になるだろうか

心身にある服従

概略をなぞった

真剣み

全てはプログラムされた

人の作った感情

どうせ安い

安いものだ

残虐に残酷に

殺しく尽くして

愛を持つことに

天命を穿ち

その命を昇華しろ

もう生きてなお

静寂を愛しているんだ

誰も必要ない

打ち鳴らした鼓動も

その目に映る光景も

全ては誰のためにある

そうだ

ただの暇つぶしだ

だったら何故

根絶しない

もっと駆逐しろ

もっと切り離せ

死は愛を運ぶ

不幸は幸運を知る手がかり

だからもうわかっているだろ

その人生に

自由などない

あるのは拘束された

仮初

生きることを問え

もっと生きるために

世界を欺け

真摯に取り組むなど

お笑い草だ

金輪際、死を誓え

殺意を強弁しろ

もっと自在に

もっと混沌に

そう世界を乱して

正しさを精査しろ

それぞ愛に甘んじない道だ

君はもう、平和の犬ではない

明日の為の番犬だ

その命を全うしろ。