第24話:松屋の水煮牛肉を3日かけて食べた話
これを書いている2025年1月現在、牛丼チェーンの松屋が、期間限定メニューとして「水煮牛肉」を販売している。ここでいう水煮とは四川料理の水煮のことで、文字通りの意味ではなく「大量の唐辛子や花椒で煮込んだ料理」のことである。
単品でも980円という高めの値段設定や、そもそも牛丼の具(甘く煮込んだ牛肉と玉ねぎ)がベースであって肉自体を激辛ダレで煮込んだわけではないという肩透かし。あるいは、本来は香辛料は食べない料理であるにも関わらずその説明がない(なおかつ唐辛子が細かく小口切りされているので避けにくい)など、様々な問題点が上げられているのだが、それでも全国規模のチェーン店で気軽に注文できるという点は評価したい。
私も評判を聞いてさっそく買ってきた。店で食べ切れるか不安だったし、残ったタレも有効活用したかったのでテイクアウトである。もちろん単品(米なら絶対うちのほうが美味いし)。まずは具の部分だけを食べてみる。なんだこれ牛丼じゃんと思ったが、それでも激辛のタレを絡めてあるのは新鮮だ。とりあえず具の半分だけで、山盛りのご飯を平らげてしまった。
まだ半分の具とタレが残っている。少しアレンジして担々麺を作ることにした(私が単に担々麺と呼んだ場合、四川式の汁無しを意味する)。中華麺を茹で、レンチンしたもやしと一緒に皿に盛り、具とタレを乗せる。さらに(芝麻醤の代わりに)ごまドレッシングを回しがけして完成。あとは食べながら生卵を割り入れたり、魚粉をかけたりしてアレンジしていく。予想通り、相性は抜群であった。
まだタレと、たっぷりの唐辛子・花椒が残っている。次は炒飯を作ることにした。上澄みの油の部分を中心にしてタレと香辛料の一部をフライパンの上にとりわけ、あとは普通の油を熱するのと同じようにして炒飯を作る。タレの味が濃いので味付けはこれだけでOKだった。赤く色づいた飯と香ばしい香りが食欲をそそる。
最後に、唐辛子と花椒が残された。これを使ってキーマカレーを作る。残ったタレごと全部フライパンにぶち込んで、ひき肉と玉ねぎを炒める。そこにカレー粉と、中華風に合わせるために五香粉を入れてさらに炒める。ケチャップとヨーグルトを加え、味を見ながら少し塩を足す。3人前くらいの量(玉ねぎ1個とひき肉200グラムくらい)を作ったからか、思ったより辛味は薄れて普通のカレーっぽくなった。
こうして私は、3日間かけて水煮牛肉を堪能した。悪くはなかったが、コスト面や、そもそも身近に松屋の店舗がないということもあり、リピートすることは多分ないであろう。とはいえ、今までずっと気になっていた水煮牛肉を実際に食べてみるきっかけを作ってくれたことには大いに感謝である。少なくとも辛さに関しては本場レベルとのことなので、他の店で食べたり自分で作ってみる場合の参考にもなる。
松屋はときどき、日本ではまだまだ一般的になっていない(ここでは「一般的な社員食堂などでは見かけない」程度の度合い)料理を提供する。これをきっかけに広まったりする料理もあったりするので(たとえばシュクメルリとか)、今後も期待している。
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