第26話廻神厳鬼(めぐりごんき)

大丸1階北玄関、黒いマスクを着けた小柄の学生が佇む。

 彼の視線は北側の元町駅から掃き出された人の流れを追い微動だにしない細身の学生に気付き、ネクタイ売り場のショップスタッフが、声を掛けようと近づいた時、振り向いた学生と目が合った。


 思わず立ち止まった菅生未希(すがおみき)は、胸を押さえて動悸を静めようとしたが、なかなか治まらず、そのまま学生に近付いた。


彼の眼は生き生きとして円い眼球に優しさのオーラが発光していた。


何 なのこの安らぎの気持ちは?にもかも解決して行く感情?あり得ない。


 全て許してしまう大浦かな心を持った事は否めない。

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